ここまで酷いことを...「揺さぶられっ子症候群」を再現する実験動画 「トラウマになる」
Viewers Stunned By 'Traumatizing' Demo Showing Shaken Baby Syndrome
SolStock-iStock
<泣き止まない赤ん坊に困り果てた親が、赤ん坊を激しく揺さぶってしまうことで悲劇を起こすケースが多くみられるという>
虐待による頭部外傷に分類されている「揺さぶられっ子症候群」がどれほど深刻な問題かを示す実験動画が、インターネット上で大きな注目を集めている。TikTokアカウント@brcp_hs2に投稿された2本の動画(衝撃的な内容を含むため閲覧注意)は、合わせて700万回以上視聴されている。
■【動画】ここまで激しいものなのか...揺さぶられっ子症候群を再現する実験の様子
実験では泣いている赤ん坊に見立てた人形を学生に手渡して、揺さぶるよう指示し、どれだけ激しく揺さぶると揺さぶられっ子症候群を引き起こすかを検証した。同アカウントは視聴者に対して、動画は「恐ろしい場面を再現」したものだと警告している。
@brcp_hs2はコメント欄に、「これは学生たちに、職場で経験する可能性がある症例を理解させるための教育目的の実験です」との説明を書き込み、さらにこう続けている。「どうやってこれ(揺さぶられっ子症候群)が起きるのかを、理解させるための実験です」
ペンシルベニア州立大学の教授(神経外科・小児科)であるマーク・ディアス博士は、本誌に対して、虐待による頭部外傷の場合、被害者が床や壁などの物質表面にぶつけられた証拠がみられることが多いと述べた。「誰かが赤ん坊や子どもを、物質表面やものに激しくぶつけた場合も、激しく揺さぶったのと同じような怪我を負わせることになる」と彼は指摘した。
「赤ん坊から離れて気持ちを静める」ことが重要
このような怪我による死亡率は20~25%にのぼり、また被害者の60%は神経損傷が残り、麻痺や発作、自分で服を着たり食事をしたりできなくなるなどの後遺症に苦しむことになる。またディアスによれば、被害者の80%は行動障害などの認知機能障害を経験することになる。
ディアスは、被害者の多くは生後12カ月以内の赤ん坊で、平均年齢(月齢)は生後6~8カ月だと説明した。5歳の子どもが被害に遭うこともあるが、このようなケースは稀だという。
米国脳神経外科医協会によれば、赤ん坊は首の筋肉が弱く、自分の頭を支えることができない。「激しく揺さぶると赤ん坊の頭が前後に激しく動き、それが重篤な、場合によっては死につながる脳損傷を引き起こす」と同協会は指摘し、さらにこう続けた。「揺さぶっている際に、赤ん坊の頭が物質表面にぶつかると、さらに大きな力が加わることになる」
そして多くの場合、赤ん坊を激しく揺さぶるのは、赤ん坊への対処に困り果てた両親だ。ディアスは、泣き続ける赤ん坊を相手にどうしたらいいか分からなくなった、あるいは圧倒されてしまった場合は、赤ん坊を安全な場所に置いてその場を離れ、冷静になるべきだと指摘する。