ヒジャブから石油産業に飛び火したイランの反政府デモ
Will Iran Oil Worker Strike Impact Global Supply Chain?
ブロツキーによれば、石油業界でのストライキは、1979年のイラン革命に重要な役割を果たした。この革命では、モハンマド・レザー・パフラヴィーの王朝が覆され、パフラヴィーは国外に亡命した。現在のイスラム政権は、もともとはこの革命後に権力を握り、1989年に死去したアヤトラ・ホメイニが率いていたものだ。
現体制では埒が明かない
「したがって、イランの宗教的指導者は、これ(石油工場のストライキ)に警戒の目を向ける可能性がある。司法長官のようにイラン支配層のなかでも強硬な人物から、デモ隊をなだめようとする発言が出ているのは、それが理由だ」とブロツキーは述べる。「だが、こうしたデモ参加者たちは、改革ではもう埒があかないと訴えている。彼らが求めているのは体制転換だ」
強硬派で知られるイランの司法長官ゴラームホセイン・モフセニー=エジェイー(右)Watch fear and confusion of Gholam-Hossein Mohseni-Eje'i, chief justice and Brigadier Ashtari, Police chief of #Iranian regime tonight. #Iran's regime is unable to suppress anti-regime protests across the country. Their days are numbered and their fall is near!#Mahsa_Amini pic.twitter.com/3pjqdmYb4Y
— Babak Taghvaee - The Crisis Watch (@BabakTaghvaee1) September 25, 2022
データ分析企業ケプラーのエコノミスト、リード・ランソンの見解によれば、抗議活動がグローバルエネルギー市場に対して持つ影響は最小限にとどまる可能性が高いという。
「イランはすでに制裁を受けている。そのため、イランが現在輸出している石油量は、本来可能な水準をはるかに下回っている」とランソンは本誌に話した。「中国がイラン産原油の多くを購入していることからすると、中国の購入量に若干の変化が見られる可能性はあるが、それでもやはり、グローバルな影響は限定的だろうと考えている」
だがもし、イランで体制転換が起こった場合は、世界的な原油価格にも影響が及ぶだろう。
アミニの死をめぐる抗議活動が依然としてイラン全土で展開するなか、イラン北西部クルド人居住地域の中心都市サナンダジでは10月10日、激化する反政府デモの取り締まりが一層強化され、銃声と爆発音が聞こえた。
英国と米国は、イランの風紀警察とその他のイラン高官たちに制裁を科している。アミニの殺害と、デモ隊に対する治安部隊の容赦ない弾圧がその理由だ。
(翻訳:ガリレオ)
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