最新記事

医療

インド製シロップ薬でガンビアの子ども66人死亡 WHOが回収要請

2022年10月6日(木)11時18分
ジュネーブのWHO本部

世界保健機関(WHO)は、インドの製薬会社メイデン・ファーマシューティカルズ(ニューデリー)のシロップ4製品を市場から回収するよう各国・地域規制当局に求める医療製品警告情報を出した。写真はジュネーブのWHO前で2020年2月撮影(2022年 ロイター/Denis Balibouse)

西アフリカのガンビアで7月下旬からこれまでに少なくとも66人の子どもが急性腎障害(AKI)で相次ぎ死亡し、市販の解毒・咳止めシロップが疑われていた問題で、世界保健機関(WHO)は5日、インドの製薬会社メイデン・ファーマシューティカルズ(ニューデリー)のシロップ4製品を市場から回収するよう各国・地域規制当局に求める医療製品警告情報を出した。

テドロスWHO事務局長は同日記者団に対し、メイデン社の製品に有害物質が混入しており、これが急性腎障害に関係する可能性があると表明した。WHOがインド規制当局やメイデン社と一緒に調査に入っているとした。

WHOの警告情報によると、当該製品は非正規ルートを通じて世界各国に流通していた可能性があるが、腎障害の報告は今のところガンビアのみ。

WHOによると、実験分析の結果、有毒で急性腎障害につながる可能性のあるジエチレングリコールとエチレングリコールが許容量を超えて検出された。

ガンビア保険当局は7月、多数の子どもたちが腎臓疾患を起こし始めていると警告。5歳未満で、服用後3─5日で腎臓に障害が生じるというパターンが浮かび上がっていた。

ガンビア保険当局責任者は今回、死亡報告は最近数週間で減ってきており、メイデン社の製品も禁止されたとした。ただ最近まで一部製品が民間診療所や病院で売られていたと認めた。

メイデン社ウェブサイトによると、製品はインドで製造し、国内販売のほか、アジアやアフリカ、中南米に輸出している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

アングル:もう賄賂は払わない、アサド政権崩壊で夢と

ワールド

アングル:政治的権利に目覚めるアフリカの若者、デジ

ワールド

尹大統領の逮捕状発付、韓国地裁 本格捜査へ

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    感染症に強い食事法とは?...食物繊維と腸の関係が明…
  • 5
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    フランス、ドイツ、韓国、イギリス......世界の政治…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 5
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 6
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 10
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中