「習近平」トレンド入り、自宅軟禁やクーデターの噂で
Xi Jinping Trends Online Amid Coup Rumors, Canceled Flights
ウズベキスタンで開かれた上海協力機構の首脳会議に出席した習近平(9月16日、サマルカンド) Sputnik/Sergey Bobylev/REUTERS
<習近平失脚の噂にネットは大騒ぎだが、証拠は何もない。だが、そうした噂を勢いづけるムードはあると識者は言う>
中国の習近平(シー・チンピン)国家主席の名前が、ツイッターでトレンド入りした。習が自宅軟禁状態だとか、軍によるクーデターが起きたという根拠のない噂が飛び交っているのだ。
ツイッターでは#ChinaCoup(中国クーデター)というフレーズもトレンド入り。習が身柄を拘束され、中国の人民解放軍によって政権を追われたという真偽不明の噂を何万ものユーザーがリツイートして広めた結果だ。
この噂は、24日に北京上空を商用機がほとんど飛んでいなかったという話や、北京発の列車やバスがことごとくキャンセルになったという未確認情報と相まって大きな話題となったが、信頼できる情報源から出た話ではなかった。
北京首都国際空港のウェブサイトには、北京発のフライトの一部がキャンセルになったとの情報が出ているものの、多くは定刻通りかすでに着陸している。一方で、軍事演習の予定があって、その間のフライトがキャンセルになったとの話も聞かれる。
ツイッターでは、9月22日にクーデターが起きたとの情報が飛び交う中、軍事車両が80キロメートルもの長い車列を作って北京に向かっているとする動画が繰り返しシェアされた。
この手の憶測が流れやすいタイミング?
だがこの動画は長さ1分にも満たないもので、実際に車列がそれほど長いかは確認できない。いつどこで撮影されたのか、車列がクーデターの一環として北京に向かっているのかどうかも定かではない。
ツイッターで1000万人のフォロワーを抱えるインドの政治家スブラマニアン・スワミが24日に投稿したツイートが、火に油を注いだ。「チェックすべき新しい噂:習近平は北京で自宅軟禁されている? 習が先ごろ(上海協力機構出席のためウズベキスタンの)サマルカンドを訪問した際、中国共産党の上層部は習を軍を統括する党の役職から外したらしい。その後で自宅軟禁が起きた。噂によればそういう流れだ」と、スワミは述べた。
一方、米国防総省でかつて中国・台湾・モンゴルを担当していたドルー・トンプソンはこれらの噂について「完全にでっち上げだ」と連続ツイートで断じた。
「習近平が拘束されたという噂が消えないのは、中国が政治的に非常にデリケートな時期にあるからだ。そして最近相次いだ共産党のベテラン幹部の裁判(と有罪判決)が、そういう噂が立ちやすい空気を作っている」とトンプソンは述べた。