最新記事

ロシア

ノーベル平和賞受賞したムラトフ編集長の独立系新聞が活動禁止に

2022年9月6日(火)10時36分
ノーバヤ・ガゼータのドミトリー・ムラトフ編集長(右)と副編集長

モスクワの裁判所はロシアに残る数少ない独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」の発行免許を剥奪する判決を下し、同紙は事実上、活動を禁止された。写真は同日、判決を前に裁判所の廊下で待つ同紙のドミトリー・ムラトフ編集長(右)と副編集長(2022年 ロイター/Filipp Lebedev)

モスクワの裁判所は5日、ロシアに残る数少ない独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」の発行免許を剥奪する判決を下し、同紙は事実上、活動を禁止された。

ロシア通信規制当局は2006年の所有者変更に関する文書を提出しなかったとして、同紙を非難していた。

ノーバヤ・ガゼータのムラトフ編集長は、判決は法的根拠に基づかない政治的な判断だとし、控訴する考えを示した。ムラトフ氏は2021年、ロシアで言論の自由を守り続けたことが評価され、ノーベル平和賞を受賞している。

ノーバヤ・ガゼータは声明で、今回の判決は「この新聞を殺し、発行のために働く人々から30年の人生を奪い、読者から知る権利を奪った」と批判した。

国連人権高等弁務官事務所は、判決で「ロシアのメディアの独立性が再び損なわれた」とし、ロシア政府に報道の自由を守るよう求めた。

ノーバヤ・ガゼータは今年3月、通信規制当局から報道内容に関する2回目の警告を受けたため、ウクライナにおけるロシアの「特別作戦」終了まで活動を一時的に停止すると発表。メディアに関する新法に従い、ウクライナにおけるロシアの軍事作戦に関連する記事をウェブサイトから削除していた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アクティビスト、世界で動きが活発化 第1四半期は米

ワールド

フィンランドも対人地雷禁止条約離脱へ、ロシアの脅威

ワールド

米USTR、インドの貿易障壁に懸念 輸入要件「煩雑

ワールド

米議会上院の調査小委員会、メタの中国市場参入問題を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中