英政府が妊娠・授乳中のワクチン「推奨せず」とのツイート氾濫...真偽をファクトチェック
Has Advice On Pfizer Vaccine Use During Pregnancy Changed?
これらのツイートでスクリーンショットされているウェブページは、本物の英政府のページではあるものの、ワクチン接種に関する現在の推奨事項とは全く関係がない。ファイザーが2020年に、自社製ワクチンの暫定承認を申請した際に初めて公開されたものだ。
このページは2020年12月30日に変更され、妊娠中や授乳中の女性に関する情報が盛り込まれたが、ツイッターで引用されているのはその文面だ(妊娠中や授乳中に使うことを現状では推奨しないという内容)。しかし、このページの2021年1月からのアーカイブを見るとわかるように、最近は情報が更新されていない。
ウェブページ自体は8月16日に更新されたが、今回の変更は授乳や妊娠とは無関係だ。このページに掲載されている別の情報によれば、今回の変更はブースター接種に関するものだという。
重要なのは、ファイザーからMHRAに提出された授乳と妊娠に関する情報は、最近は変更されていないことだ。同じウェブページにあるほかの情報も、それがいかに古いものかを示唆している。
例えば、このウェブページには、「この報告をまとめた時点で、イギリスにおけるCOVID-19の感染者は推定164万人で、死者は6万人を突破した」と書かれている。英政府によれば、2022年8月30日現在、(検体採取済みの)累積感染者数は1983万3314人に達しており、感染判明後28日以内に死亡した人は16万4624人だ。
英政府も米CDCもワクチンは安全との立場
なお米CDCは現在、「妊娠中の人、授乳中の人、現在妊娠を試みている人、将来妊娠する可能性がある人」を含む「生後6カ月以上のすべての人」にワクチン接種を推奨している。
さらに、CDCは次のように述べている。「妊娠中のCOVID-19ワクチン接種が安全かつ有効であることを示す証拠は増え続けている。現時点では、COVID-19ワクチンを含むいかなるワクチンも、男女ともに生殖能力上の問題を引き起こす証拠は存在しない」
結論として、妊婦や授乳中の母親たちを不安に陥れる一連のツイートは「正しくない」ということになる。英政府(およびCDC)は、COVID-19ワクチンは妊娠中や授乳中でも安全だと述べている。ツイッターで共有されたウェブページは、2020年に初めて公開された古い文書の一部だ。
(翻訳:ガリレオ)