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ロシア「ゴルバチョフ氏はウクライナ侵攻に衝撃、関係悪化に心痛」長年の通訳が明かす
ゴルバチョフ元ソ連大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻に衝撃を受け、両国の関係悪化に心を痛めていたと、ゴルバチョフ氏の通訳を長年務めたパーヴェル・パラシュチェンコ氏が語った。写真はパラシュチェンコ氏。1日撮影(2022年 ロイター/Tatiana Gomozova)
ゴルバチョフ元ソ連大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻に衝撃を受け、両国の関係悪化に心を痛めていた―─。ゴルバチョフ氏の通訳を長年務めたパーヴェル・パラシュチェンコ氏が1日、ロイターのインタビューに応じた。
ゴルバチョフ氏は8月30日に91歳で死去。37年間にわたり通訳を務めたパラシュチェンコ氏は、数週間前にゴルバチョフ氏と電話で話した際、ウクライナで起きていることに衝撃を受けている印象を受けたとし、「2月24日に始まった『特殊軍事作戦』だけでなく、過去数年にわたるロシアとウクライナの関係全体に大きな打撃を受けていた。感情的にも心理的にも打ちのめされていた」と述べた。
その上で、ゴルバチョフ氏はロシアとウクライナは切り離すことはできないと信じていたため、ロシア軍がウクライナに侵攻したことに衝撃を受けていることはよく分かったと語った。
パラシュチェンコ氏は、ゴルバチョフ氏はソビエト連邦を信じていたため、同氏のウクライナに対する見解は「複雑で矛盾していた」と指摘。ただ、自らが1985年から1991年まで率いた旧ソ連を復活させるために戦争を仕掛けるようなことはしなかったはずだと述べた
ゴルバチョフ氏はプーチン大統領に尊敬と支持を示すことが自身の義務だと考えていたが、パラシュチェンコ氏によると、報道機関の取り扱いなどでプーチン氏と意見が合わないときは公然と発言した。ただ、ウクライナについては、敵対行為の早期停止と人道的懸念への対応を求める2月の声明を承認した以外は、口を挟まないと決めていたという。
パラシュチェンコ氏は、ゴルバチョフ氏は冷戦を終結に導き、核戦争の脅威を低下させただけでなく、旧ソ連に内在していた全体主義を解体し、ロシア人に自由と民主主義の中で生きる機会をもたらしたと指摘。自身が成し遂げたことが覆される中でも、ゴルバチョフ氏は「ロシアの将来について楽観的であり続けたと思う」と語った。
ゴルバチョフ氏の葬儀は3日に行われ、ウクライナ人の父を持つライサ夫人が眠るモスクワのノボデビッチ墓地に埋葬される。大統領報道官によると、プーチン大統領は職務のため葬儀に参列しない。