コロナ簡易検査キット、2〜4回実施しないと陰性の確証得られない...米FDAが警告
厳密には偽陽性と偽陰性のリスクを別に考える必要があるものの、あくまで単純に考えた場合、1回きりのテストでは5人に1人の割合で感染が見逃されてしまう計算となる。
FDAは文書を通じ、「症状の有無にかかわらず、いかなる家庭用新型コロナ検査においても、陰性の結果が出た場合、繰り返しまたは連続して検査を実施してください」と呼びかけている。偽陰性により感染が見逃されるリスクを低減し、無意識のうちにほかの人々へと感染を広げるのを防ぐねらいがあるという。
無症状かつ陰性のときこそ、2回目の検査を
FDAは、1回目の簡易検査時に症状を呈していなかった人こそ、2回目の簡易検査を積極的に実施するべきだと説明している。症状もなく、さらに検査でも1度陰性となれば、安心してしまうのが人情だ。だが、それがかえって油断につながる模様だ。
家庭用の簡易検査は、新型コロナウイルス感染症の原因となるSARS-CoV-2ウイルスから、抗原と呼ばれる特定のタンパク質を検出する。しかし、ウイルスへの曝露の直後であり、まだ無症が出ていない段階では、抗原が検出されない可能性が比較的高まるという。このため無症状かつ陰性だったときは、なおのこと2回目の検査を実施するよう推奨されている。
もちろん今回の安全情報は、簡易検査を避けるべきだという趣旨のものではない。FDAは、新型コロナの検査が「依然として我が国における新型コロナとの闘いの拠り所です」と述べている。家庭用検査についても、「完全ではないものの、迅速で手軽な検査の選択肢になっている」として意義を評価している。
日本においてもネット通販の解禁により、手軽に行える簡易検査が普及するとみられる。精度の限界を正しく理解して、検査結果を適切に捉えたい。