ミャンマー軍政、フェイスブックを制限 自前のSNS設立などで情報戦対策へ
ヤンゴンにある携帯電話ショップ ANN WANG - REUTERS
<民主派の情報があふれるネットを遮断させるためにはSIMカードの課税強化まで>
軍事政権による民主派への強権弾圧が続くミャンマーで、軍政が国内のインターネットの接続制限に乗り出したことが明らかになった。特にターゲットとしているのがSNSのFacebookで、「しばしば民主派に利用されている」として今後制限を強化するとともにFacebookに代わる自前のSNSを創設する考えを示すなど締め付けを強化する方針だ。
これはゾー・ミン・トゥン国軍報道官が8月17日に明らかにしたもので、反軍政の民主派は「表現の自由」に反する行為だとして反発している。独立系メディア「イラワジ」が伝えた。
ミャンマーでは2021年2月1日のクーデター発生以降、軍政によるメディアやSNSの制限や遮断で民主派の活動、情報発信を警戒する弾圧が続いている。
軍政による人権侵害や市民への拷問、虐殺などの情報、ニュースは独立系メディアによって国内外に伝えられているが、こうしたメディアで働くミャンマー人記者らはタイなどの隣国に逃れて報道を続けるか、国内の国境周辺で軍と戦う少数民族武装勢力の支配地区などに潜伏して活動を続けており、インターネットは「命綱」となっている。
SNSは反軍政の牙城と批判
ゾー・ミン・トゥン国軍報道官はSNS、特にFacebookはクーデター以降、軍政トップのミン・アウン・フライン国軍司令官のアカウントを閉鎖し、国軍の公式ページや軍幹部の個人アカウントも次々と閉鎖するだけでなく、軍が所有する企業の広告掲載も拒否している、と批判。
そして「反軍政の勢力が暴力を扇動する重要なチャンネルとなっている」と反軍政の牙城となっていることが明確でこのまま放置しておくのは問題だと指摘している。
「Facebookの掲載基準は一体どこにあるのか、なぜ個人のアカウントや広告掲載を消去するのか」とゾー・ミン・トゥン国軍報道官は疑問を口にして怒りを露わにした。