急に集中力が落ちて、皮膚に病変──サル痘に感染した想像以上の過酷な日々
I Have Monkeypox
ロサンゼルスに住む筆者は6月にサル痘に感染した MATT FORD
<新型コロナから回復した矢先、今度はサル痘に。感染源はスキンシップ。「おまえはゲイだろう」とネットで中傷されても、伝えなくてはいけない理由>
6月17日の金曜日、電話を切ってすぐさま思った。「ああ、予定が台無しだ」
ある友人からの電話で、私もサル痘に感染している可能性があると言われた。驚いた。そして回復までに2週間かかると知って絶望した。楽しみにしていた旅が、これじゃできない。
私はニューヨークに飛んで、恒例のLGBTプライドの日にイベントをやる予定だった。7月4日の独立記念日の3連休も近づいていた。でも、痛みや特別な症状はなかった。今にして思えば、私はサル痘を甘くみていた。
ヨーロッパで、そしてアメリカでもサル痘の感染例が増えていると聞いたのは今年の4月か5月のこと。でも、特に気に掛けなかった。別世界の話のように思えた。
新型コロナウイルス感染症ほど深刻じゃないと、たぶん思っていた。あれほど感染力は強くないし、まだ感染者数も少なかったからだ。
私は2020年3月に、ニューヨークで新型コロナに感染した。幸いにして症状は軽かったが、すごくつらい経験をした。なにしろニューヨークは感染拡大の震源地。私は何カ月も、いわゆる在宅隔離を命じられた。
今年3月、私はロサンゼルスに引っ越した。そして6月半ばに、なぜか急に集中力が落ちた。同月17日には、皮膚の微妙な病変に気付いた。
そこへ友人から電話があり、サル痘に感染したらしいと言われた。サル痘の症状があり、既にカリフォルニア州公衆衛生局に連絡し、今は正式な診断を待っているという。
感染経路はスキンシップ
電話をしながら自分の皮膚の病変を見て、ああ自分も感染しているなと思った。翌日には目に見えて体調が悪くなった。インフルエンザにやられたような症状で、それが5日も続いた。発熱、咳、喉の痛み、悪寒、寝汗があった。
6月25日には公衆衛生局が、私の検体からサル痘ウイルスを検出したと伝えてきた。ああ、ロサンゼルス在住のある人とのスキンシップが原因だなと、私は確信した。