「スパイ船」と呼ばれる中国調査船がスリランカに入港 インドは懸念強める公算
スリランカに入港した中国の調査船「遠望5号」 WION / YouTube
中国の調査船「遠望5号」は16日、同国が建設したスリランカのハンバントタ港に入港した。港湾関係者が明らかにした。隣国のインドは中国の影響力が増すことに懸念を強める公算が大きい。
同関係者は「3日間停泊する予定だ。燃料や食料などの必需品を補充することが目的だ」と語った。
インドは主要なアジア─欧州航路に近い同港を中国が軍事基地として利用することを恐れており、同船はインドと中国の間で争いの原因となっている。
スリランカの内閣報道官(メディア担当相)は記者団に、友好国の間で摩擦が生じないよう取り組んでいると説明。「以前から米国やインドなどの船舶がスリランカを訪れており、われわれは寄港を許可してきた。同様に中国の船舶が入港することを認めた」と述べた。
アナリストは遠望5号について、中国最新世代の宇宙追跡艦の一つであり、衛星、ロケット、大陸間弾道ミサイルの発射を監視するために使用されると指摘している。
米国防総省によると、遠望は中国人民解放軍戦略支援部隊によって運用されている。
スリランカは13日、遠望5号の入港に同意したと発表。同船について、米国とインドは安全保障上の懸念を示し、スリランカ政府は、いったんは入港を認めたものの延期を要請していた。