最新記事

ロシア

プーチンに「複数の影武者」説 「耳の形、癖、身長も違う」とウクライナ当局者

Ukraine Pushes Putin Double Theory: 'Different' Habits, Ears, Heights

2022年8月4日(木)17時17分
イザベル・バン・ブルーゲン
プーチン大統領の像

フランス人アーティストが制作したプーチンの像(2022年8月) Andrew Kelly-Reuters

<健康不安説については否定する声も増えているが、新たに「右手を動かせないでいる」ように見える動画も話題になっている>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は「複数の影武者を使っている」と、ウクライナの情報当局がここに来て再び主張している。明確な証拠はないものの、健康悪化説がささやかれるなかで、プーチンとして公的な場に姿を現しているのは「偽物」なのか。

■【画像】7月にイランを訪問したのはプーチンの影武者だった?

ウクライナの情報機関を率いるキーロ・ブダノフ少将は8月2日、同国のニュース番組に出演し、プーチンが公的な場に姿を見せた最近の数回の映像を見ると、癖や外見ばかりか、身長まで微妙に違うことが分かると語った。

「画像を見ると、例えば耳の形が違う。耳の形は指紋のようなもので、人それぞれに異なり、同じ形をした人は2人といない」。ただ番組内では、この主張を裏付ける画像などは示されなかった。

ブダノフによれば、プーチンが重病であることはもはや公然の秘密で、公的な場に出られるような状態ではなく、表に出ることを避けて影武者を使っているという。「彼ら(プーチンの影武者たち)は習慣も癖も歩き方も違う。場合によっては、注意して見ると、身長まで違うことが分かる」

ロシア側は「重病説」を強く否定

プーチンの健康状態をめぐる憶測は以前から流れていたが、ロシア軍がウクライナに侵攻を開始した2月24日以降は、ネット上などで様々な動画とともに、さらにこの説が取り沙汰されるようになった。

手足の震えや妙にこわばった動きが見られる動画を挙げて、パーキンソン病を疑う向きもある。ロシアの独立系調査メディア「プロエクト」によると、2016年から2019年にかけてプーチンが何度か遠出をした際には、甲状腺癌専門の外科医など医師団が同行したという。

ブダノフの発言が伝えられた前日には、7月31日のロシアの海軍記念日の行事でサンクトペテルブルクを訪れたプーチンが顔の右側に飛んできた蚊を右手で追い払うのではなく、わざわざ左手で払い、その後も左手で顔や頭を掻く様子をとらえた動画を西側のメディアが公開した。

■【動画】プーチンが右耳のあたりの虫をわざわざ左手で叩く瞬間

ロシア政府はプーチン重病説を一貫して否定している。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は7月の記者会見で、ここ数カ月間噂されているプーチンの健康不安について聞かれると、「フェイクニュース以外の何物でもない」と吐き捨てた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    メーガン妃が「アイデンティティ危機」に直面...「必死すぎる」「迷走中」
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    深夜の防犯カメラ写真に「幽霊の姿が!」と話題に...…
  • 8
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 9
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 10
    トランプが「マスクに主役を奪われて怒っている」...…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 4
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 10
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中