「旅客機にキーなんてない」現役パイロットがTikTokで明かす始動手順が話題に
始動は第2エンジンから......その理由は?
モーガン副操縦士は動画のなかで、本物のコックピットさながらのシミュレーター機を使いながら、ボーイング737の詳細なエンジン始動手順を明かしている。40秒の短いクリップを通じテキパキと説明しており、まるで飛行機をかんたんに飛ばせるかのような錯覚に陥ってしまうほどだ。
説明によると、エプロンへの駐機中はジェットエンジンを停止するため、はじめにAPU(補助動力装置)を始動して電力と圧縮空気を確保する。その後、機体と運行会社によって手順は異なるが、少なくともモーガンがボーイング737に乗務する場合は第2エンジンを先にかける手順だと説明している。
理由の説明は省略されているが、動画視聴者たちがコメント欄で議論しているところによると、安全性を高める意図があるようだ。ボーイング737では第2エンジンがブレーキの油圧を供給するため、ステアリングの動力を供給する第1よりも優先して動作させるねらいがあるという。
あえてエンジンキーを持たせない設計や、エンジン始動の順序など、モーガン副操縦士の動画は航空業界の舞台裏を教えてくれている。意外な運用が存在し、その背後に考え抜かれた理由があるということも、航空業界が人々を魅了する理由のひとつだろう。
【動画】>>■■【動画】「ボーイング737のエンジンをかけるのに、キーはいらない!」エンジン始動手順公開■■