日本から中国に帰国したウイグル女性を待っていた「悪魔の命令」と「死の罠」

A DEATH TRAP

2022年7月22日(金)17時12分
アフメット・レテプ(日本ウイグル協会副会長)

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ミヒライさんは日本でウイグル人の子供たちにウイグル語を教えていた COURTESY TO AFUMETTO RETEPU

RFAの報道によると、死亡情報が国際社会に知られてしまったことを理由に、ミヒライさんの家族が警察当局から「国家機密を漏らした」と脅迫を受けた。また警察当局はミヒライさんの死亡に関する報告書を作成したが、そのコピーを見た人の証言によると、ミヒライさんが重い病気を持っていたのに家族がそれを警察に知らせなかったと、死亡を家族のせいにしていたという。

RFAが死亡を確認した後、SNSなどでミヒライさんを追悼し中国に抗議する動きが広がった。すると21年8月、中国政府はミヒライさんに関する英語字幕付きビデオを作成し、国際社会に向けて取り調べ中に死亡したのではなく、病気の治療を拒否したため死亡したと主張した。帰国から2年以上、死亡から1年近くたってから、ミヒライさんの情報を徹底して遮断してきた中国が仕方なく自己弁護に追われた形だ。

そして今年5月、新疆公安ファイルが流出。ミヒライさんが帰国した場合の扱いが事前に決まっていたことが明らかになった。中国政府の収容政策がなければ彼女は普通に暮らしていたはずだ。「悪魔の命令」を知っていれば、日本から帰国することもなかったはずだ。こんなことが許されていいはずがない。

「第2のミヒライさん」を阻止するため、世界の心ある人の力を結集する時である。

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