最新記事

銃乱射事件

銃乱射の最中、教室の外にいた警官たちの映像が暴露された

Uvalde Hallway Video Reignites Fury at Police as Families Condemn Release

2022年7月14日(木)14時15分
ジェーク・トーマス

これまでも地元警察の対応の遅れは厳しく批判されてきた。過去の報道では、指揮官の無線が通じなかったことや、銃撃犯がいる教室のドアを蹴破ることができず、ドアの鍵もなかったため、その教室への突入を断念したことなどが明らかになっている。

公開された映像はツイッター上ですぐに拡散された。「ユバルティの銃乱射事件の新たに公開された監視カメラの映像には胸を引きちぎられそうになった」と、あるユーザーは怒りをぶちまけている。「とても見ていられない。警官はそこにいるだけで、何もしない。自分の身内があそこにいたらと思うと......警察の責任をしっかり追及すべきだ」

FOXニュースの気象キャスター、ジャニス・ディーンもツイッターで非難の声を上げた。「子供たちが殺されているのに、臆病者たちは77分間も動こうとしなかった」

ツイッターの別のユーザーは「文字どおり何もしない警官を見て、あきれ返った」と投稿した。「(突入が遅れたのは)何らかの事情があると思っていたが、違った。彼らは訓練を受けていない一般人よりひどい。ただ何もしなかっただけだ」

遺族への配慮を優先すべきと市長

テキサス州のステーィブン・マクロー公安局長は映像の公開を受けて声明を発表。この映像は遺族に先に見せるべきだったとして、メディアが暴露したことに遺憾の意を表した。地元警察の対応を調査する州議会の特別委員会のダスティン・バローズ委員長はまず遺族に見せるつもりでいたという。

ユバルディのドン・マクラフリン市長は本誌の取材に対し、文書で次のように回答した。

「遺族や関係者の心情に配慮せず、この惨劇の最中の音声付きの映像がニュースとして公開されたことは非常に残念だ」

「この事件に関しては、遺族への配慮を優先すべきであるという市の方針を今後も各方面に周知する」

【映像】銃乱射の間中、1時間以上も何もしなかった警官たち

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中