最新記事

銃乱射事件

銃乱射の最中、教室の外にいた警官たちの映像が暴露された

Uvalde Hallway Video Reignites Fury at Police as Families Condemn Release

2022年7月14日(木)14時15分
ジェーク・トーマス

教室で銃撃が行われている間、重装備の警官は廊下にいた はAustin American-Statesman/YouTube

<教室にこもった容疑者が子供たちに向け銃を乱射するなか、警官は廊下で手を消毒したり、スマホをチェックしたり、信じられないほど長い間何もしなかった>

銃撃犯が小学校の教室に立てこもって生徒たちを撃っているときに、警察官が廊下で手を消毒したり、スマホをチェックしたりしている──今年5月にテキサス州ユバルディで起きた銃乱射事件の最中の映像が公開され、警察はまたもや激しい非難を浴びている。

メキシコとの州境に近い小さな町ユバルディ。5月24日にこの町のロブ小学校で起きた惨劇の最中の警察の動きをとらえた監視カメラの映像を、地元メディアが7月12日に公開し、人々の怒りが再燃している。

児童19人、教員2人が殺害されたこの事件では、州議会などが地元警察の対応について調査を進めているが、検証プロセスが不透明だとして、犠牲者の遺族らが抗議の声を上げていた。だがメディアがスクープ扱いで監視カメラの映像を公開したことについては、州・地元当局はもとより、遺族らも無神経だとして困惑を隠さない。

銃声を聞いても待機を続ける

娘が犠牲になったジャビエ・カザレスは他の遺族と共にCNNの取材に応じ、映像公開は自分たちに無断で行われたと語った。「監視カメラの映像はまず私たちに見せることになっていたのに、こんな形で公開されるとは......何と言うか、心の準備ができていなかった」

これまで表に出なかった映像を公開したのは、テキサス州の日刊紙オースティン・アメリカン・ステーツマンとABC系列の地元テレビ局KVUEだ。映像には、18歳の容疑者が学校に侵入し、ライフル銃を手に教室に向かう光景がはっきりとらえられている。

1人の生徒が銃撃犯に気づいて逃げ、その後に教室から連続的な銃声が聞こえてくる(ビデオでは、教室内の銃声や子供たちの声は消してある)。

警察官が駆けつけるが、教室には突入せず、廊下で待機する。1人はポケットから出したスマホに目を落とす。またもや銃声が響き、数人の警官が教室のほうに進むが、突入はしない。さらに警官が集まり、防弾チョッキを着用した警官の1人が廊下にあった消毒剤のスプレーで手を消毒する。待機は延々と続き、より重装備の警官が集まり、凄まじい連射の音が響いた後にようやく、警官らは現場へ突入する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済活動、ほぼ変化なし 雇用減速・物価は緩やかに

ワールド

米移民当局、レビット報道官の親戚女性を拘束 不法滞

ビジネス

米ホワイトハウス近辺で銃撃、州兵2人重体か トラン

ビジネス

NY外為市場=円下落、日銀利上げ観測受けた買い細る
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 7
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 8
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中