銃乱射の最中、教室の外にいた警官たちの映像が暴露された
Uvalde Hallway Video Reignites Fury at Police as Families Condemn Release
教室で銃撃が行われている間、重装備の警官は廊下にいた はAustin American-Statesman/YouTube
<教室にこもった容疑者が子供たちに向け銃を乱射するなか、警官は廊下で手を消毒したり、スマホをチェックしたり、信じられないほど長い間何もしなかった>
銃撃犯が小学校の教室に立てこもって生徒たちを撃っているときに、警察官が廊下で手を消毒したり、スマホをチェックしたりしている──今年5月にテキサス州ユバルディで起きた銃乱射事件の最中の映像が公開され、警察はまたもや激しい非難を浴びている。
メキシコとの州境に近い小さな町ユバルディ。5月24日にこの町のロブ小学校で起きた惨劇の最中の警察の動きをとらえた監視カメラの映像を、地元メディアが7月12日に公開し、人々の怒りが再燃している。
児童19人、教員2人が殺害されたこの事件では、州議会などが地元警察の対応について調査を進めているが、検証プロセスが不透明だとして、犠牲者の遺族らが抗議の声を上げていた。だがメディアがスクープ扱いで監視カメラの映像を公開したことについては、州・地元当局はもとより、遺族らも無神経だとして困惑を隠さない。
銃声を聞いても待機を続ける
娘が犠牲になったジャビエ・カザレスは他の遺族と共にCNNの取材に応じ、映像公開は自分たちに無断で行われたと語った。「監視カメラの映像はまず私たちに見せることになっていたのに、こんな形で公開されるとは......何と言うか、心の準備ができていなかった」
これまで表に出なかった映像を公開したのは、テキサス州の日刊紙オースティン・アメリカン・ステーツマンとABC系列の地元テレビ局KVUEだ。映像には、18歳の容疑者が学校に侵入し、ライフル銃を手に教室に向かう光景がはっきりとらえられている。
1人の生徒が銃撃犯に気づいて逃げ、その後に教室から連続的な銃声が聞こえてくる(ビデオでは、教室内の銃声や子供たちの声は消してある)。
警察官が駆けつけるが、教室には突入せず、廊下で待機する。1人はポケットから出したスマホに目を落とす。またもや銃声が響き、数人の警官が教室のほうに進むが、突入はしない。さらに警官が集まり、防弾チョッキを着用した警官の1人が廊下にあった消毒剤のスプレーで手を消毒する。待機は延々と続き、より重装備の警官が集まり、凄まじい連射の音が響いた後にようやく、警官らは現場へ突入する。