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プーチンに伝えたいこと──核で脅かすのは「想像力を放棄しているから」

What I Would Tell Putin

2022年7月5日(火)12時45分
田中煕巳(核廃絶活動家、日本原水爆被害者団体協議会代表委員)

私たちの体験を今こそ

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はロシア正教徒で、ウクライナでの行動は神の使者としての役割の遂行だと考えているという。

あなたの信じる神が、あなたを罰するはずだ──私はプーチンにそう言いたい。

核保有国である米ロ中英仏の指導者は今年1月、核戦争防止を訴える共同声明を発表した。彼らはその文言を、事実として認識しなければならない。「核戦争に勝者はなく、決して行ってはならないと認める」と、声明は述べている。

プーチンが核兵器の使用を命じ、それが現実になったら、ロシアに敵対する国は核による報復攻撃を迫られるだろう。

だからこそ核保有国の指導者には、ロシアの核使用を防ぐ取り組みを求める。その次のステップとして、即時の核兵器廃絶を決意すべきだ。

原爆によって苦しんだ私たち被爆者の体験に、世界は学ばなければならない。国家間の対立は対話で解決されるべきだ。戦争をなくし、戦争を放棄する憲法9条の精神を世界標準にしなければならない。

世界が民族や国家にとらわれず、市民集団が構成する多様で自由で民主的な連合になることを、私は願っている。大切なのは人に優しくし、前向きな努力をすること。人生は結局、偶然の連続だ。前向きな努力をすれば、素晴らしい偶然が起きる。

大規模で段階的な計画を立て、希望を持つことには大きな意味がある。どんな人生も計画どおりにいくことはあり得ないが。

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