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ロシアロシア軍が弱いのは対NATO攻撃に備えて戦力を温存しているからか──NATO分析
Putin May Be Saving Aerial Strength for Attacks on NATO: Report
ロシアの主力戦闘機ミグ29の編隊飛行(2021) Tatyana Makeyeva-REUTERS
<NATO国防大学の最新のリポートは、ウクライナ侵攻の緒戦でロシア軍が予想外に弱かったのも、空中火力を温存していたためではないかと、NATO加盟国への攻撃を警告する>
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、将来のNATO加盟国への攻撃に備えて、戦力と空中火力を温存している可能性があるというリポートが発表された。
NATO国防大学が7月27日に発表した「ウクライナ後のロシア軍:倒れるが、まだ負けない」は、ウクライナと戦争中の現在のロシア軍の状態が、NATO加盟国への更なる攻撃につながる可能性を検証している。
それによると、ロシアは多くの軍人、装甲車、航空機と砲を失ったが、ウクライナ侵攻では「まだ軍の最大限の力を出していない」という。
「ロシアは総動員令を発しなかった。NATOを攻撃するために必要な場合に備えて軍事力を温存していると考えれば、ウクライナ侵攻以降にロシア軍が見せた『意外な弱さ』を説明できるかもしれない」
「たとえば、限られた空軍力しか使わなかったこと、戦力の逐次投入を行い、それも旧式の無誘導兵器システムを出してきたこと、サイバー攻撃が思ったより少ないこと、などだ」
「ロシアがやっていることの肝は、現状の打破だ。そう考えれば、NATO加盟国に対する攻撃の可能性は排除できない」
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6月、NATO首脳に対して警告していた。「来年は、ウクライナだけでなく、他にも数カ国が攻撃されるかもしれない。そしてそれはNATO加盟国かもしれない」
NATOのリポートはゼレンスキーの主張を反映し、ロシア軍のこれまでの弱さに騙されてはいけないと警告する。「ウクライナ侵攻後、最初の数カ月にロシア軍が見せた弱さと人的・物的損失の大きさは逆に、NATO攻撃の際のロシア軍の余力を思わせる」