参院選出馬の要友紀子「セックスワーク差別は全ての人権問題とつながっている」
――セックスワーカー当事者へ届けたいメッセージはありますか?
自分が「嫌だな」「おかしいな」と思っても、「風俗で働いているからしょうがないんだ」と無意識のうちに諦めてしまっていることが、きっとたくさんあると思います。
でも、私の選挙活動をどこかで見聞きすることで、自分たちがこの仕事をしているせいじゃない、政治のせいなんだと気付いてもらえるような語りかけをしていきたいです。
私が掲げている政策は、みんながこれまで「諦めさせられてきたこと」ばかりです。「盗撮されたけど警察が取り合ってくれなかった」「風俗店の火災で死人が出たけど、理由は老朽化じゃなくて改装制限なんだ」「殺人事件が起こったときに、なんで被害者を実名報道するんだ」といったことは、どれも私たちが声を上げなかったのではなく、誰も耳を傾けてくれなかった問題です。
これらを政策として唱えることで、「変えてほしい」「私たちは困っている」と言っていいんだ、ということに気付いてもらいたいです。
――そうした周縁化されている労働者の声を国政に届けることが重要なミッションだと思いますが、セックスワーカー以外の人へ伝えたいことは?
セックスワークへの差別と向き合い続けて分かったのは、セックスワークへの差別は全ての差別とつながっているということです。
障がい者問題や優生思想、クラブでのダンス規制、同性婚が認められないことなど、具体的に揚げていったらキリがないくらい、関わりのある問題はたくさんあります。
セックスワークが差別されるということは、他にも差別がたくさんあるということなんです。そうして、あらゆる問題がつながっているということを、少しでも多くの人に知ってほしいと思います。
選挙活動をし始めて一層強く感じたのは、選挙制度を変えたいという気持ちです。選挙でしか政治を変えられないという日本の現状が、そもそもおかしいです。
選挙に出るってとても大変ですし、お金だけあっても出られるわけではない。そして選挙戦はどれだけの数の人と会うかが最も重要で、とにかく顔と名前を覚えてもらうために握手をする、もはや政策は関係ないという状況です。
政治を動かすためには選挙に出るしかなくて、それなのに出馬しても政策ではほとんど選んでもらえないなんて、そんな仕組みはやめた方がいいですよね。