最新記事

日本政治

参院選出馬の要友紀子「セックスワーク差別は全ての人権問題とつながっている」

2022年6月25日(土)21時10分
ヒラマツマユコ(ライター)

――セックスワーカー当事者へ届けたいメッセージはありますか?

自分が「嫌だな」「おかしいな」と思っても、「風俗で働いているからしょうがないんだ」と無意識のうちに諦めてしまっていることが、きっとたくさんあると思います。

でも、私の選挙活動をどこかで見聞きすることで、自分たちがこの仕事をしているせいじゃない、政治のせいなんだと気付いてもらえるような語りかけをしていきたいです。

私が掲げている政策は、みんながこれまで「諦めさせられてきたこと」ばかりです。「盗撮されたけど警察が取り合ってくれなかった」「風俗店の火災で死人が出たけど、理由は老朽化じゃなくて改装制限なんだ」「殺人事件が起こったときに、なんで被害者を実名報道するんだ」といったことは、どれも私たちが声を上げなかったのではなく、誰も耳を傾けてくれなかった問題です。

これらを政策として唱えることで、「変えてほしい」「私たちは困っている」と言っていいんだ、ということに気付いてもらいたいです。

――そうした周縁化されている労働者の声を国政に届けることが重要なミッションだと思いますが、セックスワーカー以外の人へ伝えたいことは?

セックスワークへの差別と向き合い続けて分かったのは、セックスワークへの差別は全ての差別とつながっているということです。

障がい者問題や優生思想、クラブでのダンス規制、同性婚が認められないことなど、具体的に揚げていったらキリがないくらい、関わりのある問題はたくさんあります。

セックスワークが差別されるということは、他にも差別がたくさんあるということなんです。そうして、あらゆる問題がつながっているということを、少しでも多くの人に知ってほしいと思います。

選挙活動をし始めて一層強く感じたのは、選挙制度を変えたいという気持ちです。選挙でしか政治を変えられないという日本の現状が、そもそもおかしいです。

選挙に出るってとても大変ですし、お金だけあっても出られるわけではない。そして選挙戦はどれだけの数の人と会うかが最も重要で、とにかく顔と名前を覚えてもらうために握手をする、もはや政策は関係ないという状況です。

政治を動かすためには選挙に出るしかなくて、それなのに出馬しても政策ではほとんど選んでもらえないなんて、そんな仕組みはやめた方がいいですよね。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ次期大統領、予算局長にボート氏 プロジェク

ワールド

トランプ氏、労働長官にチャベスデレマー下院議員を指

ビジネス

アングル:データセンター対応で化石燃料使用急増の恐

ワールド

COP29、会期延長 途上国支援案で合意できず
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでいない」の証言...「不都合な真実」見てしまった軍人の運命
  • 4
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 5
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 6
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 7
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 8
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 9
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 10
    ウクライナ軍、ロシア領内の兵器庫攻撃に「ATACMSを…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 9
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 10
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中