最新記事

日本政治

参院選出馬の要友紀子「セックスワーク差別は全ての人権問題とつながっている」

2022年6月25日(土)21時10分
ヒラマツマユコ(ライター)

私の掲げている政策は「セックスワークのシングルイシュー(*2)」のように思われることもあるようですが、全くそんなことはありません。先ほど述べたようなさまざまな社会課題は当然どれも重要です。当選したらそういった課題にも1つずつ取り組んでいきます。

(注釈)*1:1989年の参院選にて、土井たか子委員長の率いる社会党は改選22議席の2倍超の46人が当選。全国で22人の女性議員が誕生し「マドンナ旋風」と呼ばれ、大きな話題となった。
(注釈)*2:一つの事柄に焦点を絞って、賛成・反対を問うという政治手法。

――「性産業のことは性産業で働く人たちが決めるという、当たり前のことを普及させたい」など11の政策目標を掲げていますが、最も重要だと考えているものは?

やはり命に直結することの優先順位は高いと思います。

セックスワークの場合、店舗型風俗は法律で厳しく制限されているので、新規開業がほとんどできず衰退の傾向にありますが、データによればこの店舗型では凶悪犯罪がほとんど起きていません。スタッフがいて、最低限の監視の目があり、何かあったときには駆け付けられることなどが理由です。

一方で、店舗型の規制が厳しくなった代わりに増えている無店舗型風俗(デリヘルなど)では、仕事場となるホテルなどで殺人や暴行などの事件が多数起きています。規制を厳しくすることで、追いやられた当事者や事業者が更なる危険にさらされるというケースは、データでも実証されています。

安全な場所を確保することは急務です。痴漢やその他の暴力などもそうですが、どういう条件が揃うと起こりにくいのかというデータは必ずあるので、人命を最優先に1つずつ整備していく必要があります。

――AV新法をめぐっては、塩村あやか氏、井戸まさえ氏、堤かなめ氏など、賛否両論の立憲民主党議員・元議員の発言が取り沙汰されました。要さんは「当事者の声を聞いて議論を進めるべきだ」という姿勢を取っていますが、当選した場合に党内でどんな対話をしていきたいですか?

大前提として、フェミニストにもいろいろな考えの人がいます。大まかに言うと、性産業そのものへの規制を厳しくし、市場自体をなくしていくべきという考え方のフェミニスト(北原みのり氏や井戸まさえ氏など)をラディカルフェミニストと呼ぶことがあります。

彼女たちの話しか聞いたことがない人は、当然強い影響を受けると思います。だからこそ私が入ることで、そうじゃないフェミニストの話も聞く機会ができ、誰が何で困っているのかをきちんと見つめて、バランスを取ろうと考えてくれる議員も増えるのではないでしょうか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

片山財務相、為替市場「緊張感持って注視」 米当局と

ワールド

勝敗ライン、自民で過半数とは言ってない=高市首相

ワールド

米の広範囲に大寒波、一時100万戸が停電 1万10

ワールド

韓国の李ヘチャン元首相が死去 訪問先のベトナムで心
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰に地政学リスク、その圧倒的な強みとは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 5
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 6
    「楽園のようだった」移住生活が一転...購入価格より…
  • 7
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 8
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 9
    私たちの体は「食べたもの」でできている...誰もが必…
  • 10
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 1
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」
  • 4
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 10
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中