最新記事

ウクライナ情勢

ロシア軍、キーウにミサイル攻撃 東部セベロドネツクはウクライナが半分奪還

2022年6月6日(月)09時34分
ウクライナの首都キーウでミサイル攻撃を受け立ち上る煙

ロシア軍はウクライナの首都キーウ(キエフ)を1カ月超ぶりにミサイルで攻撃した。写真はキーウでミサイル攻撃を受け立ち上る煙(2022年 ロイター/Vladyslav Sodel)

ロシア軍は5日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を1カ月超ぶりにミサイルで攻撃した。一方、激しい戦闘が続く同国東部ではウクライナ側が反撃し、要衝セベロドネツクの半分を奪還したと主張した。

ウクライナはキーウへの攻撃について、ロシア軍がカスピ海上空の爆撃機から長距離ミサイルを発射し、鉄道車両修理工場が被害を受けたと説明。これに対しロシア側は、東欧諸国がウクライナに提供した戦車を破壊したと主張した。

この攻撃で少なくとも1人が病院に搬送されたが、現時点で死者は報告されていない。

キーウへの大規模攻撃は4月下旬以来。ロシア軍はここ数週間、東部と南部に戦力を集中させているが、ウクライナの軍事施設を破壊し西側の武器供与を阻止するためとして、他の地域も散発的に攻撃している。

こうした中、東部ルガンスク州のガイダイ知事は同州セベロドネツクでの戦闘について、ウクライナ軍が一部地域を奪還し、市の半分を再び支配下に置いたと述べた。引き続きロシア軍を押し戻しているという。

ウクライナ軍はルガンスク州とドネツク州で5日に戦車4両を破壊したほか、戦闘用ヘリを撃墜するなどしたとしている。

英国防省は同日、セベロドネツクにおけるウクライナ軍の過去24時間の反撃により、ロシア軍の作戦の勢いが鈍る可能性が高いと分析した。ロシアは自国部隊へのリスクを抑えるため、装備の乏しい親ロ派武装勢力を同市に展開しているという。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア戦車を破壊したウクライナ軍のトルコ製ドローンの映像が話題に
・「ロシア人よ、地獄へようこそ」ウクライナ市民のレジスタンスが始まった
・【まんがで分かる】プーチン最強伝説の嘘とホント
・【映像】ロシア軍戦車、民間人のクルマに砲撃 老夫婦が犠牲に


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中