【独占】「プーチンは4月に進行がん治療」「3月に暗殺未遂」米機密情報のリーク内容
Exclusive: Putin Treated for Cancer in April, U.S. Intelligence Report Says
ロシアの外相セルゲイ・ラブロフも、5月末にフランスのテレビでプーチンの重病説を一蹴した。最近の精力的な活動を引き合いに出し、「分別のある人なら、彼に何らかの病気の兆候を見いだすことは不可能だろう」と述べた。
だがDIAの幹部に言わせると、「何も問題はないというラブロフの主張は客観的な診断ではなく、単にプーチンへの忠誠を誓う発言にすぎない」。ならば今も、プーチンは肉体的にも政治的にも難しい状態にあるのだろうか。
プーチンはクレムリン内部の政敵を排除し、自分の配下にある情報機関さえ信用していないのか。彼は本当に死にかけているのか。そうだとして、プーチン後には何が起き、誰が台頭するのか。バイデン政権は、表向きはプーチン重病説を「単なる噂」と一蹴しつつ、実際にはこれらの問題を精査している。
「仮に、その情報は信頼できると判断したとしても彼の賞味期限がいつ切れるかは分からない」と、ODNI幹部は言う。「プーチンなきロシアに(早まって)支持のサインを送るわけにもいかない」
口を滑らせたバイデン
ちなみにバイデン大統領とロイド・オースティン国防長官は口を滑らせ、ロシアつぶしの意図をほのめかしてしまったが、2人ともその後に慌てて撤回している。「プーチンが元気だろうと病気だろうと、失脚しようとしまいと、ロシアが核武装している事実に変わりはない。こちらがロシアをつぶす気でいるなどと、向こうに思わせるような挑発はしないこと。戦略的安定の維持にはそれが不可欠だ」と、このODNI幹部は付け加えた。
DIAの幹部も、プーチンが病気で死にかけているとすれば、それは「世界にとって好ましい」ことだと言いつつ、「ロシアの未来やウクライナ戦争の終結につながるだけでなく、あの狂人が核兵器に手を出す脅威が減るからだ」と説明した。「弱くなったプーチン、つまり盛りを過ぎて下り坂の指導者は、自分の補佐官や部下を思いどおりに動かせない。例えば、核兵器の使用を命じた場合とかに」
確かに、全盛期のプーチンなら閣僚や軍部の反対を押し切って思いどおりの決断を下せただろう。しかし傷ついたプーチンは「もはや組織を完全に牛耳ってはいない」ようだから、そう好きなようにはできないという。
「プーチンが病気なのは間違いない......が、死期が近いかどうかは臆測の域を出ない」。このDIA幹部はそうも言った。「まだ確証はない。こちらの希望的観測を追認するような情報ばかり信じて、自分の疑問に自分で答えを出すのは禁物だ。今もプーチンは危険な男であり、もしも彼が死ねば混乱は必至だ。私たちはそこにフォーカスしている。君も、備えは怠るな」
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