【独占】「プーチンは4月に進行がん治療」「3月に暗殺未遂」米機密情報のリーク内容
Exclusive: Putin Treated for Cancer in April, U.S. Intelligence Report Says
そして4月21日、プーチンは国防相のセルゲイ・ショイグと会ったが、このときのテーブルは狭かった。外国メディアは、長らく表舞台から遠ざかっていたショイグに注目したが、実はプーチンも4月にはほとんど姿を見せていなかった。この日のプーチンは体調が悪そうで、だらしなく足を投げ出し、右手でテーブルの端をしっかりつかんでいた。
プーチンはパーキンソン病か、という説が流れた。いや、あれはKGB(旧ソ連の諜報機関)時代の訓練で染み付いた姿勢だとする見方もあった。妙にしっかりした姿勢や歩き方、そして右腕の位置は、上着の内側に隠した銃をいつでも取り出せるようにするためのものだと。
アメリカの情報機関はこの映像を精査した。遠隔診断のプロも、精神医学の専門家も加わった。そして大統領府に上がってきた結論は、どうやらプーチンは深刻な病気で、おそらく死にかけているというものだった。
プーチンはずっと、巧みにマッチョな自分を装ってきた。しかし実は、新型コロナウイルスの感染予防を口実に長期にわたって姿を見せなかった間に、深刻な病が進行していたことが疑われるのだ。
次にプーチンが姿を現したのは5月9日の「戦勝記念日」。顔はむくみ、前かがみに座っていた。プーチンの健康状態とウクライナでの戦況は同時進行で悪化していた。米情報機関は、プーチンの健康状態が従来の推測よりも深刻であり、ロシアという国も同じくらい疲弊していると判断した。
その3日後、ウクライナの情報機関を率いるキーロ・ブダノフ少将がイギリスのテレビで、プーチンは「心理的にも肉体的にも非常に悪い状態で、病状は重い」と述べ、政権内にはプーチンを引きずり降ろす計画もあると語った。
「ホットな情報」に踊らされた過去
プーチン暗殺計画を彼の親衛隊が摘発したという噂も、このとき確認された。CIAも、ロシア政府の上層部に対立があるとか、一部の外交官が亡命を望んでいるとかの話をキャッチしていた。「かつては無敵に見えた男が、今は未来、とりわけ自分の未来と格闘しているようだ」。ODNIの幹部はそう評した。
プーチンの健康状態に関する深刻な情報は、かなり前からあった。しかしアメリカ政府は慎重だった。過去に、ビンラディンやフセインに関する「ホットな情報」に踊らされた苦い経験があるからだ。
フセインの場合は、彼の精神状態がどうなっていて、保有する大量破壊兵器で何をするかが問題だった。ビンラディンの場合は、腎臓病の悪化で死にかけているのかどうか、それが彼の意思決定にどう影響するのかが問われた。
9.11以前、米政府はビンラディンについてほとんど知らなかった(一定の情報は集まっていたが検討を怠っていた)が、実際には1990年代後半以降、彼の健康状態について頻繁に報告が上がっていた。最も根強い噂は、ビンラディンは衰弱し、定期的な透析を必要としているが、洞窟生活でそれが可能とは思えない、というものだった。