イタリア機、パイロット同時居眠りで通信途絶 テロ警戒で戦闘機2機待機のパニックに
解雇の機長に同情の声も
機長は無線機器が故障したと主張しているが、ITA社による事後の調査で機体に異常はみつからなかった。同社は、機長が居眠りをしていた事実は確認できなかったものの、少なくともあるべき無線応答の手順に従わなかったと説明している。
疲労が蓄積していた機長に対し、同情の声もあるようだ。米旅行情報サイトの『ワンマイル・アット・ア・タイム(OMAAT)』は、控えとして第3のパイロットがいなかったことは「興味深い」としている。
アメリカでは民間航空におけるコントロールド・レストの実施が認められていないが、8時間以上のフライトには必ず控えのリリーフ・パイロットが搭乗し、パイロット同士で交代して睡眠を取れるようになっているという。最大で片道9時間45分を要するこの路線が2人のみで運行されていたこと自体が、アメリカの基準からするとそもそも無理があるようにも思われる。
しかし、リリーフ・パイロットを設けてもなお、万全とはいい切れないようだ。OMAAT誌の記事に対し、業界経験をもつと主張するある読者は、同時仮眠のインシデントは「さほど特別なことではない」と反応した。
「フライト・アテンダントとして働いた30年間のキャリアのなかで、コックピットに入って3名のパイロット全員が寝ているのを発見したことは何度もあります」「そういうときは毎回、コーヒーを用意して戻り、『コーヒー、クリーム、シュガーはいかが?』と大きめの声で呼びかけるんです。こうして、居眠りに気づかなかったふりをして起こすことができます。」
居眠りとまではいかずとも、睡魔と戦っているパイロットは思いのほか多いのかもしれない。