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全国の中高生のうち25万人が自身の性認識に悩んでいる

2022年5月25日(水)10時40分
舞田敏彦(教育社会学者)

多様な性への理解を国ごとに比べると、日本は高い方ではない。世代による差が大きいという特徴もある。<表1>は、同性愛がどれほど認められるかを10段階で尋ねた結果を平均したものだ。日本を含む7カ国について、若者と高齢者を比べている。

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若者は欧米諸国と遜色ない(米英仏より高い)が、高齢者になると急落する。両者の差は日本が最も大きく意識の世代ギャップが大きい国であることが分かる。短期間で激しい社会変化を遂げた日本は、同性愛への寛容度だけでなく、諸々の意識・価値観の世代差が大きい。現状では社会を動かすリーダー層の多くを高齢者が占めているので、学校現場での「多様な性」への理解も進みにくい。啓発だけでなく、政治家や管理職に若者を増やすという目に見える改革も必要だ。

性認識に悩む中高生の推定数は25万人。これらの生徒は、多様な性への理解を促してくれる存在と言える。学校には外国人の子どもも増えているが、受け入れに際してはマイナスではなくプラスの視点を持つことだ。

<資料:国立青少年教育振興機構『青少年の体験活動等に関する意識調査』(2019年度)
    『世界価値観調査』(2017~2020)

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