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どんな手を使っても「勝利」したいプーチンが、ドンバスに執着する理由

Donbas Could Go Bad, Too

2022年4月27日(水)17時25分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)

ロシアの一部当局者は軍のキーウ撤退について、プーチンの真の目的は当初からドンバスの制圧だったと言い訳している。

ドンバスはロシアとウクライナが2014年から戦闘を続けている場所であり、双方で1万4000人を超える死者(ロシア兵500人を含む)を出している。

今年2月までドンバスでの戦闘は、ロシアから兵器提供と特別部隊の支援を受けた分離独立派の武装勢力と、西側諸国から支持は受けていても物資供給はわずかしか得られなかったウクライナ軍との戦いだった。

プーチンは2月24日の侵攻直前にドンバスの2つの地域ドネツクとルハンスク(ルガンスク)を独立した「人民共和国」として正式に承認。侵攻は、両共和国のロシア系住民をウクライナによる「ジェノサイド(集団虐殺)」から守る措置だと正当化した。

14年に戦闘が始まって間もなく、ドンバスでは両国部隊が境界線を設定した。親ロシア派の分離独立勢力はドンバスの東側を支配し、ウクライナ軍は西側を支配した。そしてこの境界線は、その後8年間、ほとんど変わらなかった。

15年には双方が停戦を定める「ミンスク和平合意」に署名したが、合意が履行されることはなかった。問題をこじらせたのは、この合意がウクライナ憲法を改正し、ドンバスに特別な地位を与えるよう規定していたことだ。

この戦闘がいつか本当に終わるなら、その際の和平協定はドンバスの扱いについて何らかの形で触れなくてはならない。

ドンバスをめぐる戦いの結末は、さらに達成が困難な和平協定への道を開くものになるかもしれない。もし本当に明確な結末というものが訪れるなら、だが。

©2022 The Slate Group

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