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ロシアロシアのTikTok上で「戦争支持」のコンテンツが溢れる事態に
大半が「戦争支持」やロシア側のプロパガンダに...... REUTERS/Dado Ruvic/Illustration
<ロシアでのTikTokの利用動向調査が行われ、戦争を支持するコンテンツが圧倒的に多くなったことがわかった......>
露プーチン大統領は2022年3月4日、ロシアの軍事行動に関して虚偽の情報を拡散した個人や団体に最長で禁錮15年の刑事罰を科す改正法に署名した。これを受けて、中国のショート動画共有サービス「ティックトック」は、3月6日、ロシアでのライブ配信と新規コンテンツの提供を停止した。ロシアでの新規コンテンツの投稿も禁止している。
大半が「戦争支持」やロシア側のプロパガンダ
SNSのアルゴリズムを調査する欧州の非営利組織「トラッキング・エクスポーズド」は、ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始した直後の2月28日以降、ロシアでの「ティックトック」の利用動向をモニタリングしてきた。3月15日と4月13日に相次いで調査レポートを発表している。
これによると、「ティックトック」は3月7日、ロシア以外のチャンネルから投稿されたすべてのコンテンツをロシアのユーザーが利用できないようにした。それ以前にロシアで利用可能であった既存コンテンツのうち、95%が削除されたと推定される。
一方で、ロシアでのコンテンツ投稿の禁止措置は3月25日まで徹底されず、3月26日にようやく完全に禁止された。3月23日から25日まで、ロシアではデスクトップ版アプリから新規コンテンツを投稿できる状態だったという。
ロシアでの禁止措置が発表された3月6日以前、ウクライナ侵攻に関連する新規コンテンツの割合は「戦争支持」と「戦争反対」でほぼ半々であった。しかし、この禁止措置が不徹底であった間に戦争を支持するコンテンツが圧倒的に多くなった。
3月14日から「戦争支持」のハッシュタグを付加した動画の投稿数が顕著に増え、3月23日までには「戦争支持」のコンテンツがロシアの「ティックトック」上で溢れかえっていた。「戦争支持」のコンテンツの割合は93.5%を占め、「zанаших」(私たちのために)、「zароссию」(ロシアのために)、「путиннашпрезидент」(われらの大統領プーチン)など、プーチン大統領や戦争への支持を示すハッシュタグが多く用いられている。
3月26日以降、ロシアでは新規コンテンツを投稿できず、ロシア国外からのコンテンツにもアクセスできない。つまり、ウクライナ侵攻に関する「ティックトック」上の情報は3月25日以前に投稿されたもののみで、その大半が「戦争支持」やロシア側のプロパガンダで占められている。
戦争を支持するコンテンツだらけのプラットフォームに
「トラッキング・エクスポーズド」の共同創設者マーク・ファドール氏は、これらの調査結果をふまえ、「ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始して以降、『ティックトック』のロシアでの方針は不透明で一貫性がない。コンテンツ投稿を禁止する措置を適切に講じなかったことで悪用され、戦争を支持するコンテンツだらけのプラットフォームになってしまった」と指摘している。
「ティックトック」は4月12日、最新の取り組み状況を発表した。これによると、3月31日までにウクライナ侵攻に関する動画4万1191本を削除し、49のロシア国営メディアからのコンテンツにラベルを付加した。また、ロシアで32万1784件、ウクライナで4万6298件の偽アカウントを削除している。