香港の次期トップに「強硬派」を選んだ中国政府、狙いは「裏目」に出る可能性大
2022年4月12日(火)17時30分
中国政府は、内循環(内需)と外循環(外需)を組み合わせる「双循環戦略」を後押しする上でこうした強硬な措置が有効だと考えているのかもしれない。
しかし強硬姿勢は、世界の国々が中国経済と自国経済のデカップリング(切り離し)に動く要因になる。そうなれば、中国政府が掲げる「双循環」の片方の柱、つまり世界経済との関わりが損なわれることになる。しかも、最近はロシアのウクライナ侵攻に対する中国の姿勢を理由に、中国からの資金流出が加速している。
世界の国々の中国に対する経済的依存が小さくなれば、中国がほかの国々に対して持つ影響力も弱まる。
中国が治安維持に懸命になるのは、体制が脅かされることへの極度の不安が原因なのかもしれない。だが、そうした不安に突き動かされて強硬な行動を取れば、その結果として中国の体制の足元がますます脆弱になり、世界の安定も損なわれかねない。
©2022 The Diplomat
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