北朝鮮、弾道ミサイル失敗は自国開発進む証拠?
失敗の少なさについて一部のアナリストは、北朝鮮が少なくとも当初はロシアなどの友好国に大きく技術依存していたことの証左だと指摘してきた。最初のICBMである「火星14」にも、イランとの協力から得た技術が用いられていると考えられている。
欧州を拠点とするミサイル専門家、マーカス・シラー氏は「完璧な開発などあり得ない。完璧に見える例があった場合には、多くの開発作業が既に他国で完了していたことが判明するのが常だ」と言う。「従って、その見地に立てば、発射失敗は真の自国開発を示唆するのかもしれない」
エンジンに問題か
北朝鮮は16日にどのミサイルを発射したかを明らかにしていない。同じ空港で行った2月27日と3月5日の発射実験についても同様だ。
同国はこれらの発射について、偵察衛星設備の実験が目的だったとしているが、米韓の高官らは、巨大な新ICBM「火星17」の秘密実験だと述べた。
「火星17を含む、より巨大で新型のミサイルに移行するにつれて失敗が増えるのは理にかなっている」とパンダ氏は言う。
もっともシラー氏は、16日に失敗したのが火星17の実験だったとすれば、最初と2番目の実験に失敗しなかったのは異例だと指摘する。実験の間隔が非常に短いのも、開発計画としては異例のことだという。技術者が設計を修正する時間がないからだ。
シラー氏は、「従って、最初の発射以前からミサイルは既に製造され、発射の準備が整っていたようだ。このことは、開発計画が既に試作品の製造段階より先に進んでいることを示唆するだろう」と分析。別の可能性としては「大きなリスクをとっていることの現れかもしれない」という。
ハンハム氏の見立てでは、ミサイルは打ち上げ直後に爆発したため、多段式の推進装置の1段目で起こった可能性が高い。火星17のケースでは、1段目には巨大で複雑なエンジン4基が使われている。
「北朝鮮は個々のエンジンの実験が成功したと喜んでいたが、火星17の1段目で4基を一緒に使うとは非常に大胆な挑戦だ」とハンハム氏は語った。
(Josh Smith記者)
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