習近平、幻の「秋に台湾侵攻」計画...ウクライナ戦争で白紙に(ロシア内部文書)
China Planned Taiwan Invasion in Fall, Alleged Russian Intel Leak Claims
内部告発者は、「ロシアはウクライナに侵攻したことで、多くの国から悪いイメージを持たれている。中国がロシアの制裁逃れを手助けするリスクがあると見れば、アメリカは少なくともヨーロッパ諸国と協調して、中国に対する制裁を強化する可能性がある」と指摘し、さらにこう続けている。「中国は輸出に大きく依存しているし、(資源など)コモディティ価格から大きな影響を受ける。それを考えると、制裁強化は中国に壊滅的な打撃をもたらすことになるだろう」
内部告発者は、さらにこう続けている。「習近平はこの秋に台湾を占領することを、少なくとも検討はしていた。彼は、中国共産党内の権力闘争に勝ち抜いて3期目続投を実現するため、自らの「小さな勝利」を必要としているからだ。だが今回のウクライナでの戦闘勃発によって、その絶好のチャンスが失われた。そしてアメリカには、習近平を脅し、また彼の政敵たちと好条件で交渉を行うチャンスがもたらされた」
そしてこの内部告発者は、ロシア政府の行動が中国を窮地に陥れ、指導部が台湾侵攻計画を断念せざるを得ない状況に追い込んだと結論づけた。
本誌はこのFSBの文書が本物かどうか確認することができなかった。だが(ここに書かれている)中国の計画についての情報が、台湾の諜報機関の情報と異なることは、注目に値する。
台湾の独自分析とは異なる内容
ロシア軍がウクライナとの国境地帯での兵力増強を始める前の2021年10月、台湾情報機関のトップである陳明通は、立法院での答弁の中で、中国による台湾攻撃について、蔡英文総統の任期中には起こり得ないという見方を示していた。蔡英文の任期は2024年5月までだ。
中国が秋に水陸両用作戦によって台湾に侵攻するという説も、軍事的に従来の考え方と相反するものだ。夏の始まりから少なくとも9月にかけて、台湾海峡は(台風が多発するなど)気候条件が良くないためだ。
習近平が3期目就任を狙う中国共産党の第20回党大会は、秋に開催が予定されており、10月か11月に始まる見通しだ。