最新記事

ウクライナ支援

ゼレンスキー演説に感動、「ミグ戦闘機を渡してやるべき」と元米軍幹部

'Ought to Be on Their Side': Ex-General Tells Biden to Give Ukraine Planes

2022年3月17日(木)16時33分
ゾエ・ストロゼウスキ
ミグ29戦闘機

ウクライナ軍のミグ29戦闘機(2016)。旧ソ連製ミグなら戦えるのだが Gleb Garanich-REUTERS

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が3月16日、米連邦議会でオンラインによる演説を行った。これを受けて米軍の元幹部が、アメリカは「可能な限りのあらゆる方法で」ウクライナを支援するべきだと発言した。

ニュースサイト「メディアアイト」の報道によれば、米陸軍の元中将で、マイク・ペンス前副大統領の国家安全保障問題担当補佐官を務めたキース・ケロッグは、米軍部隊をウクラナに直接派遣しなくても、ウクライナを支援する方法は他にもあると主張。戦闘機や兵器の供与もそうだと語った。

「ゼレンスキーが必要だというならBBガンでも石でも提供すべきだ。防空システムも提供しよう。それから、ポーランドが供与すると言っているミグ戦闘機も送ってやってくれ!」とケロッグは述べた。ポーランドは、ウクライナ軍が使い慣れた旧ソ連製のミグ29戦闘機をアメリカに引き渡し、アメリカがそれをウクライナに輸送することを提案していたが、バイデン政権はこの申し出を却下している。ロシアを刺激するという理由からだ。

政府関係者を動かした演説

ロシアの空爆が激化するなか、ゼレンスキーはポーランドなど複数の国に支援を求めており、米議会に対するオンライン演説の中で、アメリカにも支援を要請。ジョー・バイデン米大統領に対して、「ロシア軍が攻撃を止めるまで」圧力をかけ続けて欲しいと呼びかけた。

アメリカの歴史や価値観に言及したゼレンスキーの感動的な演説を受けて、ケロッグをはじめとするアメリカの複数の政府関係者や政治指導者たちが、ウクライナへのさらなる支援をバイデンに呼びかけた。

ゼレンスキーの演説を聞いた米議員たちは、スタンディングオベーションで敬意を表し、ケロッグも彼の「力強い」演説を称賛。「彼は英語という言語を武器にした」と語った。

ケロッグはまた、ゼレンスキーはウクライナ国民を結束させた「戦時のリーダー」だと評価した。

「驚くことに現在、ウクライナの抵抗によって戦況は足踏み状態にある」とケロッグは述べた。「ロシアは決して優勢ではない」

ゼレンスキーが弾薬や後方支援などの追加支援を求めたことに触れ、「彼にその追加支援を提供しようじゃないか」と締めくくった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさかの密航者」をCAが撮影...追い出すまでの攻防にSNS爆笑
  • 4
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 5
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中