ロシアがウクライナ侵攻したとき、中国はどう出るか?
ロシア非難に加わらず
中国はその代わり、ロシアがウクライナに侵攻しても国際的な非難の合唱に加わらないことで、信頼に足る友人であることを示すだろう。
米国が先月、ロシアによるウクライナ国境での軍集結を巡って国連安全保障理事会の開催を求めた際には、15カ国の中で中国だけがロシアとともに開催への反対票を投じた。会合は賛成多数で開催された。
これは2014年の中国の対応よりも踏み込んでいる。当時、ロシアによるウクライナのクリミア併合を無効とする安保理決議案を米国が提出し、採決にかけられた際、中国は投票を棄権した。
専門家によると、ロシアが今回、ウクライナに侵攻した場合、中国はロシアへの経済協力を拡大して西側の制裁効果を鈍らせようとする可能性もある。
ロシアがクリミアに侵攻した際、複数の中国国営銀行は、西側から制裁を受けていた複数のロシア国営銀行に融資を供与した。
侵攻は望まず
中国としては、ロシアがウクライナに侵攻しない方が望ましいと判断しているだろう。
中国人民大学の時氏は「これだけ国際社会が二極化していると、米国と他の西側諸国が結束してロシアとともに中国も孤立させる、あるいは制裁を科す可能性がある」と言う。
プライス米国務省報道官は今月、ロシアが侵攻して輸出制限を科された場合、中国企業がそれを迂回しようとすれば報いを受けるだろう、と述べた。
米国の考え方に詳しい関係者によると、米国が同盟国と計画しているテクノロジー関連の制裁や輸出制限は、中国がその穴を埋められる範囲を超えている。
この関係者は「これらを迂回する国や法人があれば、行動を起こす用意がある」と語った。
中国政府はまた、ロシアのウクライナ侵攻によって経済的な悪影響を受けるのも避けたいところだ。今年は習国家主席が異例の3期目突入を確実にするとみられる年だけに、安定が最優先となる。
中国は繰り返し、ロシアを含む全ての国々にウクライナ危機の平和的解決を求めてきた。仮にロシアが侵攻すれば、プーチン氏が中国に耳を傾けなかったということであり、仲介役としての中国の能力に疑問符がつくと時氏は指摘した。
(Yew Lun Tian記者)

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