最新記事

異常気象

【映像】大波に砕けたフェリーの窓 叫び、逃げまどう乗客たち

2022年2月21日(月)12時10分
青葉やまと

「恐怖の瞬間」 世界各地で報道される

ショッキングな動画は、世界のメディアに広く取り上げられている。ドイツ国営放送の『ドイチェ・ヴェレ』は、嵐が各種の「交通のカオス」を生み出すなか、「モンスター級の波」による「恐怖の瞬間」が記録されたとして動画を紹介している。「この波は非常に強力であり、重力による加速度で窓が破壊される音が聞こえる」と記事は述べている。

英サン紙は、「打ちのめされる乗客たち」を収めた「悲惨な映像」だとし、「キャビンから脱出しようとする乗客たちの悲鳴が聞こえる」と解説する。

豪ナイン・ニュースは、「大型の窓を波が突き破り、フェリーにはガラスが飛散、乗客たちは逃げまどう」と報じた。

ロシア国営のスプートニク紙も、「巨大な波がドイツのフェリーの窓を叩き壊し、乗客が叫びながら避難」する映像だとして取り上げている。

欧州に広がった交通への影響

嵐「イレーニア」の最大瞬間風速は、時速151キロに達する。影響を受け、ドイツ国内では170以上の都市と町で停電が発生した。気象当局は外出を控え、建物や建築現場の足場、送電線などに近づかないよう警告した。ほか、コロナ検査所が暴風で破壊され、南部では学校が休校に追い込まれるなど、生活への影響が拡大した。

交通にも甚大な影響を及ぼした。ドイツ鉄道は、全16州のうち半数ほどで長距離列車の運行を停止した。同社スポークスパーソンによると、線路と送電線に「相当な」被害が出ている。航空会社のルフトハンザも数十便の運行を取りやめた。

欧州の他地域でも、交通の混乱や倒木などの被害が出ている。イギリスでは突風により、歩行者たちが前進できず、まるで人形のように道路を転がる様子が動画に収められた。

Pedestrians blown over by strong winds as Storm Eunice batters Britain

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 7
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中