【映像】北京五輪、生放送中のオランダ人記者が「警備員」に連行される
困惑するアナウンサー(左)と連れ去られる記者 Guardian Sport-YouTube
<「この出来事は特例ではない」と記者は疑う>
欧州メディアの特派員が北京冬季五輪の取材中、「警備ボランティア」によって妨害・連行される映像が物議を醸している。
4日夜、オランダの公共放送局NOSのショード・デン・ダース記者は開会式の行われた国家体育場(通称「鳥の巣」)付近でカメラを前にレポートしていたところだった。
スタジオからコメントを求められたちょうどその瞬間、赤い腕章をした男が現れ、デン・ダースとカメラの間に割り込んできた。生放送中にもかかわらず、男は大きな声で移動するよう威圧し、事情を説明しようとする記者を力ずくで連行していく。強引に連れて行かれる記者を撮影していたカメラマンのもとにも別の警備関係者が近づき、中継は中断。困惑した様子を隠せないスタジオのアナウンサーへと引き継がれた。
NOSのツイッター公式アカウントが映像を公開すると、(7日時点で)100万回以上の再生を記録。
数分後、別の場所に移動した記者らは無事に放送を再開。デン・ダースは翌日、自身のツイッターアカウントでこの事件と北京の取材環境について語っている。
「ここ数週間、私たちも外国の同業者らと同じように、大会に関するテーマを報道していて何度か警察から妨害されたり止められたりした」
今大会では、選手やメディア関係者の行動範囲は競技会場やメディアセンター、宿泊施設のある「クローズド・ループ」内に制限されている。
メディア関係者の間では、大会期間中の中国で自由に仕事ができるのかと懸念が広がっている。この件について、国際オリンピック委員会(IOC)の広報部長マーク・アダムスは「一回限りのこと」と釈明した。
デン・ダースは「この事件を孤立した出来事と考えるのは難しい」と見解を示している。