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エネルギーイギリス、4月から光熱費54%値上げ 政府は120億ドル投じ家計支援
英ガス電力市場監督局(Ofgem)は3日、最も多くの世帯が利用するプランの上限価格を4月から54%引き上げ、年間1971ポンドにすると発表した。1月29日、ロンドンで撮影(2022 年 ロイター/May James)
英ガス電力市場監督局(Ofgem)は3日、最も多くの世帯が利用するプランの上限価格を4月から54%引き上げ、年間1971ポンドにすると発表した。世界的なガス価格の高騰により、英国のエネルギー供給業者30社近くが経営難に陥っていることが背景にある。
家庭のエネルギー料金が急騰することになり、政府は苦境に立つ家庭に90億ポンド(120億ドル)の新たな支援を実施する必要に迫られている。
スナク財務相は、何百万人もの人々にとっての「重大な価格ショックの痛手」を緩和するために介入する以外の選択肢はないと述べた。
政府は今後、エネルギー供給業者に国が保証する融資を提供し、コスト増を5年間にわたって分散させるとともに、イングランドの約80%の世帯に地方税の150ポンドを払い戻す。
6カ月間の上限価格設定によって消費者への直接的な影響は限定的なものとなる一方、2021年以降に供給業者25社以上が廃業に追い込まれた。
アナリストによると、消費者への影響を先送りしようとするスナク氏の試みは危険な賭けともいえる。しかし、欧州の主要ガス供給国であるロシアがウクライナ問題で欧米と対立しているため、来年以降も価格は高止まりするとみられる。指標となる欧州のガス卸価格は、昨年300%以上上昇した。
Ofgemのブレアリー最高経営責任者(CEO)は、エネルギー市場では30年に一度の世界的なガス価格の上昇があったとして「エネルギー規制機関としてのOfgemの役割は、上限価格の下で、エネルギー会社が電気とガスの供給にかかる真のコストに基づいた公正な価格のみを請求できるようにすることだ」と表明した。
Ofgemは、市場の実際のコストを確実に反映するため、上限価格を更新する頻度の変更を検討するとも発表した。
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