最新記事

野生動物

運転手が野生のクマと「ハイタッチ」する奇跡的瞬間

2022年2月2日(水)19時00分
若道いつき
クマ

近づきすぎるとお互い不幸に(写真はイメージです) bundy84-iStock

<一度目は空振り、二度目はバッチリ>

そんなまさか──。

野生のクマが車道に止まった自動車の運転手とハイタッチする映像が、ネット上で話題となっている。

TikTokユーザーのレベッカ・エレナ(@rebecaelenagb)は先月20日にこの動画を投稿し、(2日時点で)再生回数は1120万回を超え、190万以上の「いいね!」を記録している。

動画を再生すると、車道をうろつく3頭のクマの姿が確認できる。そのうちの1頭は器用に2本足で直立すると、クルマの運転手に向かって前足を伸ばす。運転手もそれに応じようと窓から手を出したものの、少し距離が離れていたため、一度目は空振りに。

しかし、バランスを整えたクマはさらに車両へと接近。差し出された運転手の手のひらを目掛けて勢いよく前足を出すと、今度こそハイタッチに成功。

このクマは少しの間、放心したようにドライバーを見つめ、仲間の元へと戻っていった。車道に座り込み、画面奥の方から別のクマ(おそらく母親)が歩いてくるところで映像は終了する。

@rebecaelenagb Chill day #fyp #fy #bear #hi5 ♬ original sound - JD7

コメント欄には驚きと喜び、さらには羨望の声まで寄せられた。

「どうして私の身には起こらないの?!」

「一生モノの経験だ!」

ヒトに慣れてしまったクマの末路

一方、運転手の行動は不適切だとする意見も。

「この映像はかわいいけれど、正しい振る舞いではなかった。クマをこの先危険にさらすことになってしまうから」

このコメントにアマンダ・ニールソンも同意する。

「クマに敬意を払って近づかないでいてくれたらいいのに。クマがこうやってヒトに対してフレンドリーになると、処分されてしまうということを皆知らない」

彼らの言う通り、人間に慣れすぎたクマは悲惨な運命をたどる。

例えば2020年6月には、コロラドスプリングスで住民の家に侵入したクマが安楽死させられた。コロラド州公園野生生物局(CPW)は、この事件に関する声明で「ヒトのそばで生きることに居心地の良さを感じるようになったクマは、ドアを開けることを覚え、家具を破壊したり、人間に対して攻撃的になる可能性がある」と説明した。

こうしてヒトに対して攻撃的になったクマは安楽死処分される。CPWのマネージャーであるキャシディ・イングリッシュは当時、「クマを安楽死させなければならない日はいつだって辛い」と語っている。

「クマがヒトに慣れると、公共の安全を脅かす存在になりかねない。だからこそ、地域コミュニティで協力して野生動物を野生状態に保つことがとても重要だ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 6

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中