運転手が野生のクマと「ハイタッチ」する奇跡的瞬間
近づきすぎるとお互い不幸に(写真はイメージです) bundy84-iStock
<一度目は空振り、二度目はバッチリ>
そんなまさか──。
野生のクマが車道に止まった自動車の運転手とハイタッチする映像が、ネット上で話題となっている。
TikTokユーザーのレベッカ・エレナ(@rebecaelenagb)は先月20日にこの動画を投稿し、(2日時点で)再生回数は1120万回を超え、190万以上の「いいね!」を記録している。
動画を再生すると、車道をうろつく3頭のクマの姿が確認できる。そのうちの1頭は器用に2本足で直立すると、クルマの運転手に向かって前足を伸ばす。運転手もそれに応じようと窓から手を出したものの、少し距離が離れていたため、一度目は空振りに。
しかし、バランスを整えたクマはさらに車両へと接近。差し出された運転手の手のひらを目掛けて勢いよく前足を出すと、今度こそハイタッチに成功。
このクマは少しの間、放心したようにドライバーを見つめ、仲間の元へと戻っていった。車道に座り込み、画面奥の方から別のクマ(おそらく母親)が歩いてくるところで映像は終了する。
@rebecaelenagb Chill day #fyp #fy #bear #hi5 ♬ original sound - JD7
コメント欄には驚きと喜び、さらには羨望の声まで寄せられた。
「どうして私の身には起こらないの?!」
「一生モノの経験だ!」
ヒトに慣れてしまったクマの末路
一方、運転手の行動は不適切だとする意見も。
「この映像はかわいいけれど、正しい振る舞いではなかった。クマをこの先危険にさらすことになってしまうから」
このコメントにアマンダ・ニールソンも同意する。
「クマに敬意を払って近づかないでいてくれたらいいのに。クマがこうやってヒトに対してフレンドリーになると、処分されてしまうということを皆知らない」
彼らの言う通り、人間に慣れすぎたクマは悲惨な運命をたどる。
例えば2020年6月には、コロラドスプリングスで住民の家に侵入したクマが安楽死させられた。コロラド州公園野生生物局(CPW)は、この事件に関する声明で「ヒトのそばで生きることに居心地の良さを感じるようになったクマは、ドアを開けることを覚え、家具を破壊したり、人間に対して攻撃的になる可能性がある」と説明した。
こうしてヒトに対して攻撃的になったクマは安楽死処分される。CPWのマネージャーであるキャシディ・イングリッシュは当時、「クマを安楽死させなければならない日はいつだって辛い」と語っている。
「クマがヒトに慣れると、公共の安全を脅かす存在になりかねない。だからこそ、地域コミュニティで協力して野生動物を野生状態に保つことがとても重要だ」