中国Z世代の働き方
4――Z世代:仕事をする上で直面する大きな課題は、働く上での意味を見出すこと
働くことについて上掲のような考え方をもつZ世代であるが、働く上でどのような課題に直面しているのであろうか。図表6によると、Z世代は仕事の価値や意義などのやりがいが見いだせていない(図表6-1)が全体の5割を超え(95後:54.7%、00後:53.7%)、仕事の忙しさとそれに収入が見合っていないという不公平感を感じている(図表6-2)が4割を超えている(95後:45.2%、00後:42.7%)。その一方で、自身の能力不足については、それ以外と比較して、それほど感じてない点も見受けられる(図表6-9)。
Z世代の中で比較してみると、20代を中心とした95後は、10代を中心とした00後と比べて、企業内の研修が少なく、自身の能力向上に悩みを抱えているが9.8ポイント高かった(図表6-7、95後:28.7%、00後:18.9%)。また、会社が定める規程などへの適合が難しいとする95後は00後よりも8.3ポイント高かった(図表6-5、95後:30.9%、00後:22.6%)。その一方で、自身の能力不足を認めるのは00後が95後よりも6.7ポイント高かった(図表6-9、95後:7.7%、00後:14.4%)。
このように、Z世代は、自身の能力を伸ばすことに意欲的ではあるものの、それに対応する企業内研修が少ない点に悩みを抱えている。10~20代ということもあり、能力や経験不足などによるミスマッチもあると考えられる。しかし、社会がデジタル化で大きく変革し、経済的にもこれまでと比べて大きく恵まれた中で育ったZ世代にとっては、X世代、Y世代とは'働く'ということの意義や価値が異なるのであろう。雇用主側が評価方法や育成の仕方、働き方などについて、彼らのニーズに即したものへとフレキシブルに変えていかなければ、Z世代はそこから簡単に離脱してしまう可能性もある。
[執筆者]
片山ゆき
ニッセイ基礎研究所
保険研究部准主任研究員・
ヘルスケアリサーチセンター兼任
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