人権問題で発言するか沈黙するか──北京五輪選手に迫られる二択
Activists Ask Olympins to Protest at 'Genocide Games,' Despite China Warning
スポーツ選手の権利擁護団体「グローバル・アスリート」は今年1月、IOC(国際オリンピック委員会)を非難する声明を発表。IOCは選手を守ることができず、「人権をめぐる政治的闘争に選手を巻き込み、選手の表現の自由を抑圧した」と述べた。
こうした懸念が高まる以前から、アメリカ、カナダ、オランダをはじめいくつかの国のオリンピック委員会は、五輪参加選手に個人用の携帯電話を中国に持ち込まないよう助言していた。アメリカ選手団は、選手たちにプリペイド式携帯や使い捨てパソコンの利用を奨励している。
このような警告が出されたのは、トロント大学に本拠を置く研究組織「シチズン・ラボ」による報告がきっかけだった。シチズン・ラボは今年1月、選手はもちろん、観客や関係者含めて北京五輪の参加者全員に対してインストールが義務づけられている健康管理アプリ「MY2022」に情報が流出する可能性があるセキュリティ上の欠陥を発見したと発表した。
本誌は以前、このアプリは個人情報を収集し、政治的にデリケートな」表現について報告する機能や、検閲用のキーワードリストが組み込まれていることを報じた。
中国外務省は、オリンピックを政治化すべきではないと言っているが、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリスは、北京オリンピックとパラリンピックに政府関係者を派遣しないことを表明している。
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