最新記事

感染症対策

オミクロン株が猛威ふるう米国、検査キット求め薬局に長蛇の列

2022年1月15日(土)10時54分

同店は野球場の駐車場に検査所を設置。オーナーのマヤンク・アミンさんは「規模を拡大してこうした検査を可能にするとともに、従業員の安全も確保すべきだと思い至った」と言う。

従業員はワクチン接種と検査予約の受け付けをこなしながら、1日何百件にも上る家庭用検査キットの購入問い合わせの電話に対応しているという。

検査機関も処理が追いつかず

アーカンソー州スターシティーのドクターズ・オーダーズ・ファーマシーの薬剤師、シャノン・ラネーさんによると、同店には検査キットの供給が途絶えた近隣の郡から人々が押し寄せている。

家族経営の同店は、近くの2つの店舗と在庫を共有することで需要増に対応できている。今のところは店舗内で検査が可能で、自宅用キットの在庫がなくても、必要なら他の店舗から回してもらうことができるという。

検査需要の拡大で一部の検査機関は検体の処理時間が伸びている。

商用検査で国内最大手のクエスト・ダイアグノスティクスは、昨年第3・四半期に比べて新型コロナ検査の処理数が2倍近くに増えたと説明。昨年12月初旬にはほとんどの検体について24時間以内に検査結果を送り返していたが、今では平均で2、3日になったとしている。

従業員の人繰りに問題が生じている検査機関もある。

州などの衛生研究機関が加盟する公衆衛生研究所協会(APHL)のスコット・ベッカー最高責任者は「検査機関の専門家も他の人と同じように感染している」と話した。

研究機関での検査は検体の収集から輸送、分析、結果報告まで、人手の確保を頼みとする作業だ。

(Brad Brooks記者、Maria Caspani記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがガザ空爆、48時間で120人殺害 パレ

ワールド

大統領への「殺し屋雇った」、フィリピン副大統領発言

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 5
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中