両陣営の謝罪合戦、投票日まで2ヶ月、混迷を極める韓国大統領選
疑惑報道から3日後の12月17日、尹錫悦候補は国会記者室で謝罪文を読み上げた。また、金建希氏も12月26日、国民の力の党本部で記者会見を行って、経歴詐称を認めた上で謝罪した。
尹錫悦候補は失言が多く、野党の悩みの種となっている。12月22日に「貧しく学がない人は自由が何か知らない」と発言し、23日には「『共に民主党』に入ることができなかったため、やむをえず『国民の力』を選択した」と述べている。
一方の李在明候補は、ラジオ番組のインタビューで「金建希氏は国民の前に姿を現して謝罪したが、李候補の息子は姿を現したのか」という質問に「大統領夫人は公的な存在だが、大統領の息子は成年で他人だ」と答えている。
いずれの候補も非好感が好感を上回る
尹錫悦陣営は内紛も起きている。12月21日、国民の力の李俊錫(イ・ジュンソク)代表が「すべての選挙対策委員会の職責から降りる」と話して、選挙対策委員長と広報メディア本部長から退くことを宣言した。中央選挙対策委員会の趙修真(チョ・スジン)公報団長との対立が背景だ。
前日20日の選挙対策委員会で、李代表が尹候補に関係する報道を整理すると話すと趙団長は「候補の言葉だけを聞く」と反発した。趙修真団長が「李俊錫を辞任させるべき」と題した李代表を批判するユーチューブのリンクを周囲と共有していたことが発覚して、党代表と尹候補関係者の対立が激化し、党幹部が李俊錫代表の辞任を求める事態にまで発展した。
1月5日、尹錫悦候補が選挙対策委員会の解散を発表。収束をはかるため、新たな事務総長に党の重鎮で元駐中国大使の権寧世(クォン・ヨンセ)国会議員を任命した。翌6日には「選挙の勝利という大義のために誤解はすべて忘れよう。みんなが力を合わせて勝利に進もう」と話して李俊錫代表と和解した。
李在明候補は好感36%に対して非好感は58%、尹錫悦候補は好感25%で非好感は68%、安哲秀候補は好感38%、非好感54%といずれも非好感が好感を上回る。「歴代級の非好感大統領選挙」で選挙後も後遺症が避けられないと憂慮する声が出ている。