ピークを過ぎた中国は世界の脅威、習近平がまず噛みつく相手は?
「レッドライン」を示せ
その狙いは、第2次冷戦の一環として中国を「竹のカーテン」で包囲することではない。自由民主主義陣営の目的は中国の悪行を抑制すること、弱いものいじめの国際協定違反の代償を支払わせることにある。
世界の利益になる場合は協力したいと考えているが、それも中国が約束を守れば、という条件付きだ。
中国の攻撃的外交が失敗したことは客観的事実だ。今こそ方針を変えなければならない。
危険なのは習がさらに攻撃的になることだ。その場合、経済成長を通じて国民の暗黙の支持を保つ代わりに、状況が悪化するなかでナショナリズムをあおり立て、支持を得ようとする可能性が高い。
多くの専門家が、中国の台湾侵攻を現実の脅威とみている。世界にとって、今は危険が増している時代だ。
自由民主主義陣営は習近平政権に対し、越えてはならない「レッドライン」があること、その1つが台湾海峡に引かれていることを、注意深く、だが毅然とした態度で明確に示さなければならない。
(筆者は最後の香港総督、元欧州委員会委員)
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