勤続23年の国際線CA、まったくの別人だった 43年前死亡の少年になりすまし...米
ブラジル籍男性と指紋が一致
ゲデス容疑者本人はアメリカ生まれだと主張しているが、捜査当局は訴状のなかで、ブラジルのサンパウロで誕生したと指摘している。米税関・国境警備局の技術チームはユナイテッドの協力を得て、本人が身元調査の一環として事前に社に提出していた指紋を入手した。これをブラジルの身分証用として90年代にゲデス名で提出されていた指紋と照合したところ、両者は一致したという。
ユナイテッドは声明を通じ、すでに同容疑者を解雇したと発表した。米アトランタ・ジャーナル・コンスティテューション紙は、勤続23年のベテラン・キャビンアテンダントであったと報じている。乗務便のおよそ半数はブラジル行きとなっており、他にも南米方面としてエクアドル、ペルー、チリ便に搭乗していた。ヨーロッパ方面ではオランダ便への乗務経験も記録されている。
容疑者のアメリカでの生活は、相応に充実していた模様だ。地元紙ヒューストン・クロニクルは、ゲデス容疑者は妻と結ばれ、美麗なヒューストン湖の湖畔に一軒家をもち、愛車はBMWであったと報じている。キャビンアテンダントのキャリアと併せ成功者として生きる反面、勤務先への登録名も住宅ローンを組むにも幼くして他界したラッド少年の名を借りるという、偽りの半生であった。
逮捕後ゲデス容疑者は、捜査員にこう洩らしたという。「夢をみていたが、終わってしまった。今は現実と向き合わなければならない。」