マクドナルドでダイエット? エアロバイク付きの客席が中国に登場
日本マクドナルドの栄養表示を参考にすると、ビッグマック、ポテトM、コーラMのセットでは1000kcal以上に達する。一方、エアロバイクで消費できるのは、1時間休みなく漕いでも300kcalがせいぜいだ。3時間以上店内に居座って、はじめてカロリーの帳尻が合うことになる。
WIONニュースは、食べながらの運動自体も健康にあまり良い影響はなく、しゃっくり、吐き気、嘔吐などを催すことがあると指摘する。キャスターは「どれだけ冴えた人がこれを考案したのだろう」と真顔だ。
英サン紙は、イメージアップ戦略の一環だとみる。記事は「ジャンクフードのメッカという印象を払拭すべく、マクドナルドは過去に多くの手を打ってきたといえるが、中国のある店舗は完全に新たな次元に達している」と述べ、斬新なPR戦略だと捉えている。
本来のウリは発電機能
ベダル付きの客席は、高カロリーを相殺する無謀なアイデアとして世界に知れ渡ってしまった。だが、マクドナルドの意図は別のところにあったようだ。
話題の客席は「グリーン充電バイク」と呼ばれ、モバイル機器の充電機能を備える。利用者がペダルを漕ぎながら食事をし、その間スマートフォンなどをテーブル隅の充電スポットに置いておくと、バッテリーに給電されるしくみだ。
動画が話題となったのを受け、中国マクドナルドは12月22日に声明を発表した。インディペンデント紙の続報によると同社は、「グリーン充電バイクは店舗内で提供される体験となっており、現在は中国の2店舗でテスト中です。お客様がマクドナルドのお好みのメニューを楽しみながら、よりグリーンな行動について考えるきっかけとなるよう意図しています」と説明している。
運動しながらの食事が好ましいかはさておき、少なくともダイエット効果を謳ったキャンペーンではなかったようだ。環境意識向上の取り組みのはずが、エアロバイクのうえで高カロリーのバーガーを頬張る姿が先行し、エクササイズという予想外の方向で話題になってしまった。
話題を報じた英サン紙は、「この健康志向のムーブメントはイギリスにも到来するだろうか?」と読者に問いかける。中国での評判次第では、日本でも将来登場となるだろうか。国内ではコンセントを利用できる客席もあるが、もし少しの運動で罪悪感を忘れることができるなら、あえてエアロバイクを利用する人も出てくるかもしれない。