ディズニーワールドとユニバーサルがあるフロリダ州オレンジ郡の排水検査でほぼ100%のオミクロン株
Omicron Cases Rising in Wastewater in FL County Home to Disney, Universal
シンデレラ城の花火に湧く観光客(2012年のディズニーワールド) Scott Audette-REUTERS
<新型コロナの入院患者は大半がデルタ株なのに、排水から検出されるのはほぼ100%がオミクロン株。世界のテーマパーク王国に何が起こっているのか>
世界各地で、新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン株の感染者が増え続けるなか、ディズニーワールドとユニバーサル・オーランド・リゾートのあるフロリダ州オレンジ郡では、ウイルス検査よりも排水検査でオミクロン株が検出されるケースが頻発している。
オレンジ郡公益事業社の広報担当であるサラ・ラックスが、AP通信に語ったところによれば、同郡の排水サンプルについて今週行われた検査では、サンプル内に含まれていた新型コロナ株のほぼ100%がオミクロン株だった。これは、同郡でオミクロン株が既に主流になっていることを示している。
だが現在のところ、米国内の2大テーマパークを擁する同郡で、新型コロナに感染して入院している患者の大半は、デルタ株への感染であることが確認されている。
医療の専門家や科学者たちは、南アフリカのデータを基に、オミクロン株に感染した場合の重症度について検証を行っている。まだ結論は出ていないが、データを見ると、オミクロン株はデルタ株よりも感染力が強く、ワクチンが効きにくい可能性があるものの、デルタ株ほど重症化しなければ入院率は低そうだ。
感染者数が増えてから数週間後に、入院者数が増え始める
それでもクリスマスに向けて、オミクロン株に関するさらなる情報が出てきているなか、今後そうした見方が変わる可能性もあると科学者たちは言っている。これまでのところ、感染者数が増えてから数週間後に、入院者数が増え始める傾向にあるからだ。
今も世界中の科学者や医師たちが、人々に新型コロナウイルスワクチンの接種を呼びかけており、当局者たちは、接種資格がある人々は、できる限り早く追加接種を受けるように促している。初期データでは、追加接種を受けることで、デルタ株およびオミクロン株の発症予防効果が高まることが示されているためだ。
南アフリカでの初期分析のデータ(ワクチン接種率を基に調整済)によれば、オミクロン株の感染者が入院し始めている可能性がある現在の入院率は、2020年半ばに比べて約29%低いという。また同データでは、ファイザー&ビオンテック製のワクチンを2回接種した人がオミクロン株に感染した場合、ワクチン接種を受けていない人よりも約33%感染しにくく、また入院リスクは約70%低いことも示されている。
だが新型コロナに感染して治療を必要とする人の数となると、話は別だと当局者たちは言う。