最新記事

イギリス

英首相ジョンソン、与党からも批判 ロックダウン下で官邸パーティーの疑惑

2021年12月10日(金)18時55分
イギリスのジョンソン首相

英国のジョンソン首相率いる与党・保守党は、昨年のロックダウン(都市封鎖)下にパーティーを首相官邸で開いていたとする疑惑報道を受けて反発が広がる中、世論調査で野党・労働党に支持率の逆転を許した。ロンドンで8日、代表撮影(2021年 ロイター)

英国のジョンソン首相率いる与党・保守党は、昨年のロックダウン(都市封鎖)下にパーティーを首相官邸で開いていたとする疑惑報道を受けて反発が広がる中、世論調査で野党・労働党に支持率の逆転を許した。

タイムズ紙向けのユーガブの世論調査によると、保守党の支持率は12月2日時点から3ポイント下がって33%となる一方、労働党は4ポイント上がって37%となった。

ジョンソン首相は8日、イングランドに制限措置を発動。これに先立つ数時間前には、新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン中の2020年クリスマス期に首相官邸で開かれたパーティーに関してスタッフが笑ったり、ジョークを飛ばしたりしている動画について謝罪した。当時はこうしたイベントは禁止されていた。

首相官邸はパーティーの開催を否定していた。首相は動画が与えた印象に対する怒りを表明した。

BBCは、ジャック・ドイル官邸広報副部長が昨年12月18日、20─30人が集まったパーティーであいさつをしていたと報道。官邸はコメントを拒否した。

タイムズ紙によると、国民の4分の3がコロナ規制に反したクリスマスパーティーがあったと信じており、調査対象者の68%はジョンソン首相が疑惑を否定した際に真実を語っていなかったと考えている。

また、調査会社サーベーションによる別に世論調査(対象1178人、8─9日実施)では、労働党の支持率は1ポイント上昇の40%、保守党は2ポイント低下の34%となった。

さらに、ジョンソン首相は来週、新たなコロナ制限措置の導入に反対する数十人の保守党議員からの抵抗に直面する見通しだ。

保守党のジョン・レッドウッド議員は「私は過去最多の保守党議員がこれら最新の制限措置に反対票を入れると見込んでいる」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍が東シナ海で実弾射撃訓練、空母も参加 台湾に

ビジネス

再送-EQT、日本の不動産部門責任者にKJRM幹部

ビジネス

独プラント・設備受注、2月は前年比+8% 予想外の

ビジネス

イオン、米国産と国産のブレンド米を販売へ 10日ご
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中