中国での大会中止、女子テニス協会の決定に世界のスターたちから称賛の声が続々
Tennis Stars Praise WTA's Steve Simon for Peng Shuai Withdrawal
Danny Moloshok-REUTERS
<選手と人権を守る強い姿勢を打ち出したWTAだが、煮え切らない態度の男子協会やIOCに対しては同様の行動を促す声があがっている>
中国の女子テニス選手、彭帥の「失踪」問題を受け、女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン会長兼CEOは、中国と香港での大会をすべて中止すると決定した。この決定に対しては、世界の多くのテニス関係者が賛辞を送り、ほかの主要スポーツ団体も追随するよう求める声も高まっている。
テニス界のスーパースターで、WTAの創設者でもあるビリー・ジーン・キングは、サイモンの決断を「女子テニスが女子スポーツのリーダーであるひとつの理由」と呼んだ。
「スティーブ・サイモンと@WTAのリーダーたちが、中国と世界における人権を守るため、強硬姿勢を取ったことを称えたい。選手をサポートするという点で、WTAは歴史の流れに乗っている」とキングはツイートした。
4大大会で18度の優勝を誇るマルチナ・ナブラチロワも、サイモンが大会中止を決定したことを「勇敢な姿勢」と称賛。国際オリンピック委員会(IOC)に対しても、中国政府に対する行動を促した。
「スティーブ・サイモンとWTAは勇敢な姿勢を示した。私たちは、$(お金)より原則を優先し、世界中の女性、特に彭帥のために立ち上がった」とナブラチロワは書いている。「さあ、@IOCの言い分は?!? #IOCよ、今のところ、ほとんど何も聞こえて来ていませんよ!!!」
そんな場所に選手を行かせられない
テニス選手として世界の頂点に立ったアメリカのクリス・エバートは、WTAの姿勢がテニス界の外側まで波及し、影響力のあるさまざまなグループが中国に圧力をかけることを期待している。
「スティーブ・サイモンと@WTAが成し遂げたことを誇りに思う......。テニスやほかのスポーツ、さらには実業界の有力者が後に続くことを願っている......。では、彭帥を探すことに集中しよう......」とエバートはツイートしている。
サイモンは12月1日、中国政府が彭を巡る論争にもっと真剣に取り組むまで、WTAは中国と香港でのイベントをすべて中止すると発表した。彭はオリンピックに3度出場したテニス選手で、中国政府の高官から性的暴行を受けたと主張した後、公の場から姿を消した。
サイモンは声明の中で、「彭帥が自由に発言することを許されず、性的暴行の主張を撤回するよう圧力をかけられていると見られる状況において、選手たちにその場所に行き、大会に参加するよう求めることはできない」と述べた。