韓国、新型コロナ重篤者過去最多に 防疫パス導入でPCR検査も混乱
防疫パスが導入されて最初の週末となった12月18日、その問診システムにエラーが起きた。午前9時過ぎからサーバに接続できない状況に陥ったのだ。ソウル駅前など一部の検査所は手書き問診で対応したが、検査を受けにきた人を帰らせた検査所もあったという。ソウルの最低気温が氷点下11℃に下がった同日、検査を受けるため2時間以上並んだ人たちもいた。
筆者は19日、検査所の行列を見て断念し、翌20日に検査を受けたが、40分近く並んだ知人や1時間半近く並んだ人たちもいた。
「接種しない人を差別する」と、市民が告発
医療機関も混乱している。12月19日の重症者用病床使用率は79.1%に達し、感染者が最も多いソウルは85.9%に達していた。病床の空きを待つ自宅待機者など、自宅療養を余儀なくされた感染者が1万人を超え、文在寅大統領は首都圏の国立病院をコロナの専門病院に切り替えるよう指示を出した。
また、金富謙(キム・ブギョム)首相は、中等症以上の病床を1万床追加して、2万5000床に増やす計画を発表した。
1日あたりの新規感染者が1万5000人になっても対応できる体制を整える計画だが、疾病管理庁の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)庁長は、「12月中に(新規)感染者が約1万人になり、来年1月には最大2万人になる可能性」に言及した。
いっぽう、12月22日、ソウルの市民ら950人が「防疫パスは、効果や安全性が十分に検証されていないワクチン接種を強制するものであり、接種しない人を差別する平等権侵害にあたる」とし、文在寅大統領と金富謙首相、鄭銀敬疾病管理庁らを職権乱用容疑でソウル中央地検に告発するなど、政府のコロナ対策を批判する声が上がっている。