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欧州ロシア、NATOに東欧やウクライナでの軍事活動放棄を要求
ウクライナでのアメリカ=ウクライナの合同軍軍事演習のようす REUTERS/Gleb Garanich
ロシアは17日、北大西洋条約機構(NATO)に対し、東欧とウクライナでの軍事活動を放棄するとの法的拘束力のある保証を要求すると発表した。これは西側諸国との交渉で求める安全保障の要求項目の一部となる。
ロシアは要求項目について、欧州での緊張を緩和し、ウクライナの危機を打開するために不可欠な条件だとしている。西側諸国はロシアが攻撃を行う可能性があるとして非難しているのに対し、ロシアは否定している。
要求項目には、ウクライナのNATO加盟に対してロシアが拒否権を持つことといった、西側諸国が既に除外している項目も含まれている。
要求項目の詳細を初めて公表したロシアのリャブコフ外務次官は報道陣に対し、ロシアと西側諸国は関係再構築のために白紙から始める必要があると指摘。「米国とNATOがここ数年、安全保障状況を積極的に悪化させようとしている路線は絶対に容認できず、極めて危険だ」と訴えた。
さらに「米国とNATOの同盟国は、予定外の演習など、わが国に対する敵対行為を直ちに中止し、ウクライナ領土での軍備増強を即時中止すべきだ」と強調した。
キングス・カレッジ・ロンドンのサム・グリーン教授(ロシア政治学)はツイッターで、ロシアのプーチン大統領が「ポスト・ソ連時代の空間に線を引き、『立ち入り禁止』の標識を立てている」と書き込んだ。「これは条約ではなく、宣言だ」とし、「だが必ずしも、戦争の前兆とは限らない。米政府や他国を不安にさせ、ロシア政府の即応態勢を維持するための言い訳だ。問題は、その効果が失われるまで、どれだけ長くその姿勢を維持できるかだ」と指摘した。
リャブコフ氏は、ロシアは現在の状況をこれ以上容認するつもりはないとし、米国が提案を真剣に受け止め、早急に建設的な回答をするように求めた。
リャブコフ氏は、ロシアは18日にもスイス・ジュネーブなどで会談を開始する準備ができており、交渉団の準備も整っていると述べた。
米ホワイトハウスのサキ報道官は、米国は提案について同盟国と話し合っているとし、記者団に対して「欧州の同盟国やパートナーなしに、欧州の安全保障に関して話し合うことはない」と語った。
ロシアのタス通信は、米国とNATOから伝わってくる内容にロシア政府は非常に失望しているというリャブコフ氏の発言を伝えた。
ロシアは今週初め、ウクライナ周辺でのロシア軍増強を巡る緊張が高まる中、米国に提案書を渡した。
ロシアは、ウクライナが目先、NATOに加盟できる見込みがないにも関わらずNATOとの関係を深め、加盟を希望していることが自国の安全保障を脅かしていると考え、これに対応していると説明している。
ロシアの提案は、NATO加盟国との協定案と米国との条約案の2つの文書にまとめられており、ともに外務省が公表した。
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